韓国はもちろん、日本のNHK・BSプレミアムでも放映された時代劇ドラマ『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』で、印象的な演技を披露していたのがナ・イヌだ。
主人公である王女ピョンカン(キム・ソヒョン扮)に寄り添うオン・ダル。天真爛漫で物事を前向きにとらえ、いつも爽やかな笑顔を浮かべるオン・ダルの存在によって、『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』はより面白くなった。
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そんなオン・ダル役を演じたナ・イムのインタビューが届いた。前・後編の2回にわたって紹介したい。
―オン・ダルという人物についてご紹介お願いします。
「高句麗(コグリョ)時代、馬鹿なふりをして生きていくことを選んだ青年です。このドラマでは彼の純愛と、そしてその愛によって派生された変化の過程を見せていくキャラクターです」
―ドラマのモチーフになった昔話「ピョンガン姫と馬鹿オン・ダル」のピョンガンとオン・ダルは、ドラマのピョンガンとオン・ダルとはとても違いますね。ドラマのオン・ダルはどんな人物だと分析されましたか?
「台本の中のピョンガンはとても強い意志とリーダーシップを持った人物として描かれていました。それで、最初はこのピョンガンとオン・ダルの関係性がどうなっていくのかに注目してキャラクター分析をしました。意志が強いキャラクター同士だと、きっと何かがぶつかるからです。
ところが、オン・ダルは意志が強いキャラクターではありますが、調和させる力も持っているキャラクターだと分かったのでそういう意味ではピョンガンと似たキャラクター同士の衝突、というのはないだろうと感じました」
―「大義か愛か」が物語の重要なテーマですが、ナ・イヌさんのにとって、人生でいちばん大切なものは?
「ここは迷わず、愛ですね。なぜなら、大義の中にも結局、愛が入っているからです。目的や自分自身のために大義を成すこと、そして大義に向けて進めること。これは視点を変えると、そういう大儀というのは仕事に対する愛かもしれないですし、自分自身に対する愛かもしれませんよね。ですので、愛が先だと思います」
―怪力(?)と武術の実力を兼ね備えたオン・ダルを演じるため、どんな準備をしましたか?
「もともと武術を昔から習って身につけていました。力持ち、という部分を見せるためには、自分なりに工夫をしました。朝鮮時代のドラマではシンプルで無駄な動きのないアクションを披露しましたが、今回は力持ちという設定もあり、少し違うところをお見せしたかったです。
それで、アクションシーンでは動きをより大きくして演じました。それに、刀もとても大きかったですね。一対三のチャンバラのシーンとかでも、とにかく動きを大きくして見せることを意識して演じました」
―ピョンガン役のキム・ソヒョンさんと撮影中にたくさんコミュニケーションを取られたかと思います。ソヒョンさんと一番相談した部分は?
「地味な答えかも知れませんが、ピョンガンとオン・ダルのシナジーやケミストリーを作り出すための相談が一番多かったですね。そして、話し合った結果を監督にお見せして意見を聞くような作業を頻繁にしました」
―具体的に思い浮かぶものはありますか?
「主に私が提案・相談を出しました。ネタバレになるかも知れないから話しづらいですけど、ソヒョンさんに迷惑をかけない範囲でアドリブを結構入れました。するとソヒョンさんもそれに快く合わせてくれました。
例えばですが、今思い浮かぶのは、私がソヒョンさんの頬っぺたをつねったことです。台本には無かったですが、アドリブでそれをやったら、反応が良かったです。記憶に残るアドリブですね」
―初キスのシーンがとても可愛らしかったです。撮影当時のエピソードや裏話がありましたらご紹介お願いします。
「あのシーンでは監督から細かい指示はありませんでした。「君たちがやりたいようにやっていい」と任せてくださり、ソヒョンさんと相談して動作を決めたり、自由にアドリブを入れたりしながら演じました。
あのシーンは、ソヒョンさんからキスをしてくるシーンですが、私はオン・ダルというキャラクター的にキスには慣れていない演技をしました。監督の信頼の元、私たち二人で自由に演じて作り上げたシーンですね」
―台本の内容よりアドリブがもっと多いということですか?)
「はい、そうです」
―ピョンガンとのシーンで一番記憶に残るシーンは?
「ピョンガンとはずっと二人で一緒に事件を解決しますが、ネタバレになるので詳しくお話しできないですがあるポイントで初めて二人は別れることになります。
オン・ダルがピョンガンに背を向けて、村に戻るシーンです。演じる時もすごく切なかったですが、そのシーンを画面で観た時は、思わず泣きそうになりました。愛するあまり、お互いが相手の重荷を自分が背負おうとして生じる葛藤なので本当に悲しかったです」
―ドラマで一番印象に残っているシーン、セリフは?その理由は?
「たくさんありますが、お風呂シーンでピョンガンに言うセリフが一番記憶に残っています。
謝るな。君に行けと言われたら僕は行く、止まれと言われたら止まる」というセリフだったと思います...。この短い言葉にオン・ダルという人物の全てが集約している気がして、個人的にはとても心に残っています」
―撮影で苦労したこと、演技で工夫したこと(激しいアクション、記憶喪失、陰謀、コロナ禍での撮影…など)
「後半、オン・ダルが4年後に髭を伸ばして登場するシーンです。感情を表現するシーンを一気に撮ったので、体力的にも大変でしたし、精神的にも辛かった記憶があります」
―感情移入のせいですか?
「はい、それもありますけど、オン・ダルという人物を責任をもってちゃんと表現しなきゃというプレッシャーと責任感も大きかったですね」
―もし、『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』で違うキャラクターを演じられるなら、どんなキャラクターを演じてみたいですか?(男女問わず)
「ピョンガンです。私は一人二役・三役を演じたことがないので、まずそこが興味深いです。様々な魅力的な姿を研究して演じてみたいと思います。役作りの作業がとても楽しそう...!」
―コ・ゴンとのシーンで一番印象深かったシーンは?そしてその理由は?
「ネタバレになりますので詳しく説明しづらいですが…ドラマの後半でコ・ゴンとオン・ダルが戦うシーンですね。
(韓国放送版では第17話)オン・ダルはちゃんと習ってはないけど戦場で鍛えてきてるので、コ・ゴンと対等に戦えました。
でも、結果的に勝負をつけることが出来なかったんです。勝負がつかなかったからこそ記憶に残っているんだと思います。
コ・ゴンはオン・ダルよりはるかに高い身分の男ですが、闘う時はそんなこと一切関係ないですよね。対等な二人になります。もし、勝負が決まっていたらどうだったんだろう…、と、今でも思うシーンです」(後編につづく)
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価格:各BOX 20,900円(税込)
発売・販売元:ポニーキャニオン
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