「韓国時代劇のカリスマ」チェ・スジョンの魅力的な人間性【思い出インタビュー】

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韓国で「国民俳優」と称せられるほど評価が高いチェ・スジョン。特に『太祖王建』『海神-HESHIN-』『大祚栄(テジョヨン)』という傑作時代劇で堂々たる主役を務めている。

今から10年前、チェ・スジョンにインタビューする機会に恵まれた。そのときの発言から、彼の人間性に迫ってみよう。

チェ・スジョン

――国民的俳優として韓国で高い人気を得ていらっしゃいますが、そのことで重圧を感じることはありませんか。

「いつのまにか国民俳優と言っていただくようになって、とても光栄に思うとともに、本当に感無量です」

「今は、常に謙虚に暮らし、決して驕ってはいけないと肝に銘じています。そして、もっと頑張らなくてはいけないと思います」

「確かに、今までの人生で私が得たものも数多くあります。また、演技の機会に恵まれて、たくさんのことを学びました。私は後輩たちが悩んでいるのであれば、いつでも悩みを聞いてあげられる立場にありますので、今後は様々に協力したいですね。本当は、国民俳優と呼ばれるのはまだ早い話だと自分では思っているのですが……」

――俳優として特に影響を受けた監督や俳優がいたら教えてください。

「たくさんいて全部は言いきれないくらいです。特にと言えば……イ・スンジェ先生でしょうか。過去には青春スターであり、後にお父さん役が多くなりましたが、私にとてもたくさんのことを教えてくれました」

「こんな思い出があります。ライブのトークショーで、自分の一番尊敬する人に電話をするという場面がありました。それでスンジェ先生に突然電話をしたのです。こちらが『チェ・スジョンです』と言ったらすぐに出てくれました。それがとてもうれしかったことをよく覚えています」

「その他では、『大祚栄(テジョヨン)』のキム・ジョンソン監督です。演技の悩みを本当によく聞いてくれました」

多くの人気時代劇に主演したチェ・スジョン

――多くの人気時代劇に主演されましたが、特に『大祚栄(テジョヨン)』ではKBS演技大賞を受賞されました。このドラマを成功させた要因は何でしょうか。

「大賞を取れたのは、視聴者の方々が関心を持って見てくれたおかげです。脚本、演出、俳優が三位一体となって取り組み、その結果として大賞を取れたのだと思います。情熱とみんなの思いが作品の中に投影されていたのが良かったのではないでしょうか。また、今まで高句麗の歴史は間違って解釈されていましたので、『歴史を正しく理解しよう』という運動があって、そういう動きによって視聴者の関心が大きくなったのではないかと思います」

――『大祚栄(テジョヨン)』では高句麗の歴史を正しい方向に広めることに貢献しましたね。

「今、高句麗の歴史は多く残ってはいません。けれど、『強小国(国は小さいけれど偉大な韓民族であった)』ということを私なりにどのように表現したらよいのかを一生懸命考えて頑張りました。そのことが評価されたのではないでしょうか」

――『初恋』でペ・ヨンジュン氏と共演されていましたね。兄弟の役だったのですが、あの時期、お二人はどのようなお付き合いをしていたのですか。

「私は弟のように思っていました。その頃、ペ・ヨンジュン氏は新人でした。私はいろいろ出演していましたので、彼に演技のアドバイスをしたり、たくさんの話をしました。プライベートでは、『焼酎をおごってくれませんか』と言われたことがあるので、一緒に飲んだりしましたよ。また、妻たちと一緒にスキーに行ったこともあり、妻も弟のようにかわいがっていました」

――演技力を向上させるため、今までにどんな苦労をされてきましたか。

「努力してきたのは、演技に対して誠実な心で接するということ。そして、いつも自分の演技に懐疑的であるということです」

「具体的には、飢えるということの苦しさを忘れないようにしています。何も持たない人たちがごはんを食べるために、パンを食べるためにどれだけ苦労したのだろうか。それを考え、その気持ちで演技をしています。そして、誠実さと情熱を持って演技をすれば、何でもできるのではないかと思います」

このように語ったチェ・スジョン。彼が今後ドラマや映画に出演するとしたら、どんな役を演じるのだろうか。

構成=大地 康

♢チェ・スジョン プロフィール
生年月日:1962年12月18日生まれ
身長:174cm
星座:やぎ座
デビュー:87年ドラマ『愛が花咲く木』
出身校:韓国放送通信大学校英文学科

☆主な出演作
『愛が花咲く木』(ドラマ、1987年)
『初恋』(ドラマ、1996年)
『あなたが私を呼ぶとき』(ドラマ、1997年)
『太祖王建』(ドラマ、2000年)
『海神―Heshin-』(ドラマ、2004年)
『大祚榮』(ドラマ、2006年)
『大王の夢』(ドラマ、2012年)
『たった一人の私の味方』(ドラマ、2018年)

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