胸が熱くなるような挑戦や挫折、仲間との絆を描いたドラマはいつの時代も私たちの心を揺さぶる。スポーツに打ち込む高校生、社会に放り出された若者、時代の荒波にもがく青年たち──舞台は違っても、懸命に前を向く姿は多くの視聴者の心に残っている。短期集中連載の最後は、思わず応援したくなる青春ストーリーを厳選。韓国ドラマを長年見続けてきた“韓ドラのプロ”の視点から「2025年韓国ドラマ・青春ドラマ ベスト5」として紹介する。
若者の挫折と再生を描いたラグビー青春ドラマ。万年最下位の高校ラグビー部が、“ノリと情熱”だけでチームを立て直し、奇跡を起こすというベタながら胸を打つストーリーが、多くの若年層視聴者の共感を呼んだ。
物語の中心に立つのはユン・ゲサン演じるチュ・ガラム。かつて韓国ラグビー界のスターとして脚光を浴びながらも、薬物スキャンダルによって転落した過去を背負う男である。
栄光を失い居場所をなくした彼は、母校へ戻り監督として若者を導くことになる。再びラグビーと向き合う姿は単なる指導者の物語ではなく、失われた自己を取り戻そうとする人間再生のドラマでもある。
また、チュ・ガラムの元恋人で射撃部のコーチを務めるペ・イジ(演者イム・セミ)や、射撃部のエース選手ソ・ウジン(演者パク・ジョンヨン)、さらに漢陽ハニャン体育高校の校長カン・ジョンヒョ(演者キル・ヘヨン)といった登場人物たちも物語に厚みを加える。単なるスポーツ青春劇に留まらず、人間関係の複雑な絡み合いが展開を一層ドラマティックにしている。
青春の甘酸っぱさ、悔しさ、友情、挫折——これらすべてを瑞々しく描いた本作は、「青春ドラマ」として安定した支持を得て、5位にランクインした。
大きな神を祀る天上の仙女として生きる女子高生の巫女(演者チョ・イヒョン)が、一目惚れした運命の男子生徒(演者チュ・ヨンウ)を自ら救おうとする姿を描くオカルトロマンス。
“運命とすれ違う若者たちの恋と成長”など青春ドラマの王道要素に、“巫女”“彦星”というファンタジー的モチーフをミックス。現実と夢、過去と現在が交錯する設定により、“甘さ”だけでなく“儚さ”“切なさ”にも訴えるドラマとして評価された。
海外で快進撃は続き、Prime VideoのTVショー部門(英語・非英語コンテンツ含む)でグローバル3位にランクイン。タイ、インドネシア、フィリピン、エジプトなど8カ国以上で1位、計35カ国でTOP10入りを果たし、グローバル市場でも存在感を示した。
特に、主演のチュ・ヨンウと“ラブコメクイーン”として新たな地位を築いたチョ・イヒョンが、ドラマ出演者話題性部門でそろって1位・2位(グッドデータコーポレーション・ファンデックス、7月15日付)を獲得。さらに俳優チャ・ガンユンらキャスト陣も人気と話題性を拡大させ、数多くの成果を残した。
チュ・ヨンウの勢いとともに、チョ・イヒョン、チャ・ガンユンら次世代スターたちの今後にも期待が高まる。
1980年の韓国を舞台に、バスの案内員(車掌)として働く二人の女性の友情と、一人の男性を巡る初恋を描いたレトロな青春ロマンス。
主演は映画『ソウルメイト』『梨泰院クラス』でブレイクを果たしたキム・ダミを起用。家庭を支える母親を助けるため、懸命に働く女性を演じる。もうひとりのヒロインであるソ・ジョンヒ役にはシン・イェウン。チョンア運輸に彗星のごとく現れた、才能と情熱あふれる人物を巧みに表現した。
そんな2人の前に運命的に現れるハン・ジェピル役には、『婚礼大捷<こんれいたいしょう> -愛結ぶ二人-』『YOUR HONOR~許されざる判事~』で注目を集めた俳優ホ・ナムジュンが扮する。
100番バスで働くヨンレとジョンヒの輝かしい友情と、そんな2人が恋に落ちてしまうジェピルとの切ない初恋を、1980年代のノスタルジックな韓国の背景とともにエモーショナルに描かれる本作。若者たちの交流、友情、初恋、すれ違いが交錯し、視聴者に“甘く、切ない青春の記憶”を呼び起こした。温かいノスタルジーと感情の揺れ動きを丁寧に描いたことで、青春ドラマのベスト3にランクされた。
元国家代表のメダリストたちが、警察官として新たな一歩を踏み出し、理不尽な社会に立ち向かう姿を描いた青春アクション捜査ドラマ。スリリングな展開とキャラクターの成長を丁寧に描いたストーリーで、韓国のみならず日本の視聴者からも高い評価を受けている。
主演はパク・ボゴム。彼が演じるユン・ドンジュは著名な詩人の尹東柱(ユン・ドンジュ)にちなんで名づけられたが、少年時代から喧嘩ばかりしていた破天荒キャラ。奮起してボクシングに打ち込んで国際大会で金メダルを獲得し、特別採用で警察官となった。
すると、持ち前の拳でワルと徹底対決ばかり。無鉄砲な突撃精神で周囲から反感を買うが、構わずファイター丸出しで悪党を懲らしめる。
その一方で、可愛がっていた後輩イ・ギョンイル(演者イ・ジョンハ)の死、母のように慕うチョン・ミジャ(演者ソ・ジョンヨン)の銃創、さらにはパンチドランカーの後遺症まで重なり、肉体的にも精神的にも極限まで追い詰められるユン・ドンジュ。パク・ボゴムはそうしたユン・ドンジュの血と汗と涙を深く引き出し、説得力をもって表現した。まるで本当にその痛みを経験したかのような没入感あふれる演技により、視聴者も自然と彼の感情に寄り添うことができた。
壊れた身体でも正義のために立ち上がるユン・ドンジュの物語は、パク・ボゴムがこの作品で見せた新しい“顔”そのものだ。
共演者はキム・ソヒョン、イ・サンイ、ホ・ソンテ、テ・ウォンソクなど素晴らしい顔ぶれである。演出は『怪物』『良くも、悪くも、だって母親』などのシム・ナヨン監督、脚本は『ライフ・オン・マーズ』や『補佐官』シリーズのイ・デイルが担当している。
青春 × 社会派ヒューマンドラマ。1997年の“IMF危機”という荒波の中、何の取り柄もなかった青年が、倒産寸前の貿易会社「テプン商事」の新米社長に抜擢され、会社再建と仲間たちとの絆を胸に成長していく姿を描いた物語。
主人公カン・テプン(演者イ・ジュノ)は、自由奔放に生きていた若者だったが、父の死をきっかけに会社を継ぎ、重圧と現実に直面する。時代の逆風、経済の混乱、夢の喪失──それでも彼はあきらめず、仲間たちとともに前を向き続ける。
彼を支えるオ・ミソン(演者キム・ミンハ)との関係にも胸が熱くなる。彼女は家族を支えながらも強く生き、自らのキャリアと誇りを守る“希望の象徴”として描かれている。
さらに、本作は90年代のソウルの街並み、ファッション、音楽などを丁寧に再現し、“あの時代を生きた人々の記憶”を呼び覚ます。過去と現在、若者と大人、失敗と再起──世代を超えた共感を呼ぶ構成が、多くの視聴者の心をつかんだ。
放送はtvN、同時にNetflixで世界配信され、韓国内では視聴率・話題性ともにトップクラス。グローバルにも評価され、“2025年を象徴する青春ドラマ”として堂々の1位にふさわしい。
文=韓ドラLIFE編集部
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