『エスクワイア』が描くホ・ミンジョンの再生物語、チョン・ヘビンが演じる女性像

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Netflixで配信中の韓国JTBCドラマ『エスクワイア:弁護士を夢見る弁護士たち』は、法廷という冷たい舞台を背景にしながら、そこに生きる人間たちの夢、挫折、再生を鮮烈に描き出す群像劇である。

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物語の中核を成す1人が、チョン・ヘビン演じるホ・ミンジョンだ。母子家庭で育ち、孤独を友としながらも母の期待に応えてソウル大学法学部へ進学した才媛。しかし大学2年の時、運命を狂わせる最悪の男と関わったことで人生は暗転する。

離婚相談のため訪れた名門法律事務所ユルリムで、冷徹かつ完璧主義で知られる訴訟チーム長ユン・ソクフン(演者イ・ジヌク)と出会い、その鋭い眼差しが彼女の可能性を見抜いた。

ソクフンの支援を受け、ミンジョンはロースクールへ進み、弁護士としてユルリムに加わる。過去の痛みを力に変え、数々の案件で鮮やかな成果を上げる彼女の姿は、理想と現実の狭間で戦う人間の強さを静かに物語っている。

チョン・ヘビンは、多様なジャンルで存在感を示してきた女優である。時代劇では『インス大妃』で朝鮮王朝第9代王・成宗(ソンジョン)の二番目の妃にして10代王・燕山君(ヨンサングン)の母・廃妃(ペビ)ユン氏を演じ、『朝鮮ガンマン』では商団の娘チェ・ヘウォンに扮して芯の強さを見せた。

チョン・ヘビン
チョン・ヘビン

観る者の心を強く揺さぶる演技

一方、現代劇では『オーケー、グァン姉妹』の公務員から食堂経営へ転身するイ・グァンシク、『レバレッジ』では元女優にして詐欺師ファン・スギョンなど、多彩なキャラクターを自在に演じ分けている。

さらに、『キャリアを引く女~キャリーバッグいっぱいの恋~』ではオソン法律事務所パートナー弁護士パク・ヘジュや『王と私』の策士ソリョンなど、恋愛劇から陰謀劇まで幅広い演技を披露してきた。

そのキャリアは、ラブコメの軽やかさから史劇の重厚さまでを自在に行き来し、役ごとに全く異なる顔を見せることが特徴である。

『エスクワイア:弁護士を夢見る弁護士たち』のホ・ミンジョンは、そうした豊かな演技経験が結晶した存在であり、法という冷徹な現実の中で自分の信念を貫く姿は、チョン・ヘビンの女優人生と重なって観る者の心を強く揺さぶる。

文=大地 康

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