壮大なアクション、豪華キャスト、緊迫の連続!! 『于氏王后』のここがスゴい!!

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韓国時代劇というと、朝鮮王朝時代(1392年~1897年)の宮廷劇を描いたドラマがとても多いが、古代を扱った作品も同じように面白い。特に、壮大な歴史を感じさせる時代劇には傑作がそろっている。『于氏王后(うしおうこう)』もその一つだ。

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このドラマは高句麗(コグリョ)の9代王コ・ナンムの統治時代を描いている。この国王は史実では故国川王(コグッチョンワン/在位179~197年)と呼ばれる大人物で、朝鮮半島最古の歴史書と言われる『三国史記』では「長身で風采が良く、力がとても強かった。周囲の話をよく聞き、寛容と勇猛を併せ持っていた」と評されていた。

これほど傑出した人をモデルにしているコ・ナンムという国王……演じるのはトップ俳優のチ・チャンウクであり、まさに最適なキャスティングとなっている。

チ・チャクウクが演じたコ・ナンム(© TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.)

彼は威厳を持った国王に扮して、序盤から勇壮な姿を見せている。特に、中国の大国である「漢」から奪われた土地を奪還する過程において、コ・ナンムは自ら先頭に立って獅子奮迅の大活躍を続けていく。実際、闘争心をむきだしにして戦場で華々しく勝利をあげる姿はカリスマ性に満ちあふれていた。

とはいえ、決して武骨な国王ではない。凱旋したあと、チョン・ジョンソが演じる王妃ウ・ヒと感情を交える場面では、優雅な雰囲気すら漂っていた。本当に絵になる2人だった。

コ・ナムウとチョン・ジョンソが演じたウ・ヒ(© TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.)

それにしても、ウ・ヒを演じるチョン・ジョンソは抜群の存在感を持っている。彼女は映画『バーニング』で注目されてからオファーが殺到し、『于氏王后』では時代劇初出演ながら主役に抜擢された。演じたウ・ヒは文武にたけた聡明な王妃なのだが、チョン・ジョンソは冷徹さを前面に出した表現力で希代の王妃を鋭く演じていた。  

こうして、魅力的な主役コンビによって最初からスリリングな展開になると思った矢先、ドラマは「まさか?」という激変に見舞われる。なんと、序盤でコ・ナンムが急死してしまったのだ。これには本当にビックリした。

なぜ、コ・ナンムは命を落としたのか。実は、王妃の姉のウ・スン(チョン・ユミ)が恐ろしい存在だった。彼女は欲深い心を見せて、男を虜にする媚薬をコ・ナンムの飲料水の中に少し垂らしてしまった。それが、激動の日々の端緒になったのだ。

チョン・ユミが演じたウ・スン(© TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.)

突然の悲劇で重要な決断を迫られたのがウ・ヒである。夫が築いた国家をどのように守っていくのか。そのことに苦心したウ・ヒは、意表を突く決断を下す。

それは、王妃が亡き国王の弟と婚姻を結ぶことで、王位を安定させるということだ。完全に、起死回生のミラクル戦術だ。

とはいえ、彼女自身の命運がかかっている。絶対に成し遂げなくてはならない。しかも、短時間の間に公式会議で部族長たちの了解を取り付けなければならないので、ウ・ヒは真夜中に馬を走らせて、コ・ナンムの弟たちの元に向かった。そのときの疾走劇は迫力満点だった。

このとき、最大の難敵となったのが第3王子のコ・バルギ(イ・スヒョク)だった。この男は残虐非道であり、国王になった場合に国を乱すことは間違いなかった。しかも、困ったことにコ・バルギは王位に露骨に執着していた。そこがまた、波乱の予兆を感じさせるところだ。

イ・スヒョクが演じたコ・バルギ(© TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.)

また、コ・ナンムによって廃位となった兄で第1王子のコ・ペウィ(ソン・ジェリム)も虎視眈々と復権を狙っていた。

さらに、宰相を務めるウル・パソ(キム・ムヨル)からも目が離せない。彼は非常に有能な男で国の舵取りをまかせられる人物なのだが、実は高句麗に反逆せざるをえない因縁があった。それは何なのか。その秘密が『于氏王后』をさらに謎めいた展開に持ち込んでいた。

キム・ムヨルが演じたウル・バソ(© TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.)

物語の後半に入ると、第4王子と第5王子の思惑も交差してきて、誰がウ・ヒの味方で誰が敵なのかが予測できなくなってくる。ミステリアスな物語がいっそう伏線だらけになっていくあたりはドキドキ感が最高潮に達していく。

こういう緊迫した展開の中で、国王亡き後、頂点に立つ決意を固めた王妃ウ・ヒは、反対勢力となっている部族たちの反乱を抑え、どのように立ち回っていくのか。さらには、一番恐ろしいコ・バルギに果たして勝つことができるのか。そこが『于氏王后』の最大の見どころになっている。

チョン・ジョンソが演じたウ・ヒ(© TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.)

韓国時代劇を数多く見てきて率直に思うのは、『于氏王后』が従来の既視感を軽く乗り越える独創性を持っている、ということだ。実在の人物の個性を極限まで研ぎ澄まし、国王の急死による後継者争いを、知略の闘いと切れ味のあるアクションで、最高級のエンタメに昇華させていく……そのスケールの大きさは、古代歴史劇としても他の追随を許さないほどのレベルであり、ドラマが作り出している世界観は圧巻だった。

なお、この話題作は、NBCユニバーサル・エンターテイメントよりDVD-SETおよびレンタルDVDとして全話一挙リリースされており、7月1日からはU-NEXTにて独占先行配信も始まる。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

◆作品情報

『于氏王后(うしおうこう)』
DVD-SET 発売中 16,940円
※DVD全8巻レンタル中
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
U-NEXTにて7月1日(火)全話一挙独占先行配信開始
(c)TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.

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