壮大な叙事詩として幕を閉じたSBSドラマ『鬼宮』で、俳優キム・ジフンが最終回まで深い余韻を残し、視聴者から熱い支持を受けている。
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『鬼宮』でキム・ジフンは、従来の時代劇における王の典型を打ち破るトレンディなキャラクター像を創出し、重厚な物語を最後まで支える熟練の演技力、そして登場するたびに視線を奪うルックスと重みのある声で、作品の中心軸として活躍した。最終回まで自己最高視聴率を更新し続ける中、彼の存在感は毎話のハイライトを飾り、鮮烈な印象を残した。
圧倒的な存在感、眼差しと演技で魅せた真価
登場するだけで特有のオーラを放ったキム・ジフンは、イ・ジョンというキャラクターの内面変化を丁寧に描写し、視聴者の没入感を一層高めた。
強国を夢見る理想の君主、病に倒れた息子を案じる父親、そして“八尺鬼”に憑かれて狂気を露わにする暴君、こうした多面的な姿を繊細に演じ分けた。
複雑な感情を込めた眼差しと安定感ある演技は多くの視聴者を惹きつけ、「イ・ジョンはキム・ジフン以外に考えられない」という絶賛の声が相次いだ。
温かさと冷酷さのあいだで
イ・ジョンは、カンチョリ(演者ユク・ソンジェ)の謀反にも怒り狂うことなく、むしろ友として信義を育もうとする柔軟で寛容な君主としての一面を見せた。
また、カンチョリと掛け合う中では茶目っ気たっぷりな魅力を発揮し、中殿パク氏(演者ハン・ソウン)に向けるまなざしには“愛妻家”としての温かく人間的な姿がにじみ出た。
その一方、“八尺鬼”に憑かれてカンチョリと死闘を繰り広げる場面や、怒りに任せて敵を断罪する場面では、誰よりも真剣かつ冷徹な表情を見せ、場の空気を一変させた。
このように対照的な温度差を自然に演じ分けられたのも、ベテラン俳優キム・ジフンの実力あってこそである。彼は両極端の演技を偏ることなく見事に融合させ、キャラクターに一貫性を持たせることに成功した。
15年ぶりの時代劇、目が離せない“王”の存在
キム・ジフンにとって本作は、15年ぶりの時代劇出演であり、俳優人生初となる“王”役への挑戦でもあった。ビジュアルやフィジカル、眼差し、声など、俳優としてのすべての武器を総動員して、唯一無二の王・イ・ジョンを完成させた。
画面を捉える華やかな容姿はもちろん、激しいアクションや明瞭なセリフの伝達力により、文武を兼ね備えた万能の君主像を際立たせた。彼の熱演は視聴率の上昇を牽引し、特に主な視聴層である20~40代からの支持を集め、大きな話題性を生んだ。
このようにキム・ジフンは、『鬼宮』の序盤から終盤まで物語の軸となり、クライマックスにおいても強烈な存在感を発揮して、話題性と視聴率の両面で作品を支えた。
限界を知らぬ演技変化を通じて、表現の幅を一層広げた俳優キム・ジフンの今後の歩みにも、大きな期待が寄せられている。
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