俳優が持つイメージというのは、どういう部分で強調されていくのだろうか。たとえば、「儒教的な価値観」というものをキーワードにしてみよう。
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朝鮮王朝は儒教を国教にしていたので、社会全体に儒教的価値観が根付いていた。官僚登用試験として有名な科挙も、儒教の教義を問う質問がとても多かった。それゆえ、儒教的な道徳と知識を持っている人が科挙に合格して国の政治を担う官僚として活躍した。
さらに、儒教には人間の身分の違いを容認する思想があり、朝鮮王朝は厳格な身分制度を採用した。つまり、生まれたときから人間の身分が決められてしまったのだ。
このように朝鮮王朝は儒教で凝り固まった社会だったが、現代韓国はそうではない。儒教が国教になっているわけではないのだ。とはいえ、朝鮮王朝は518年間も続いたので、その影響は少なからず残っている。
そういう儒教的価値観の根本とは何か。端的に言えば、「忠」と「孝」である。それは、目上の人に忠実に従うということであり、先祖や両親に孝行を尽くすということだ。結果的に、年上の人を崇めるコミュニティが出来上がった。それが今の韓国社会の顕著なところかもしれない。
なにごとにも長所と短所がある。ただし、儒教的価値観のいい面に注目すると、目上の人を敬い親孝行に徹する、という美徳につながる。
韓国でボランティア活動が盛んなのも儒教的な精神の表れともいえる。そうした雰囲気を感じさせる男優としてすぐ思い浮かんだのが、筆者の場合は、チョン・ヘインとカン・ハヌルとパク・ボゴムだった。
この3人は、俳優としての演技力に定評があるが、同時に、記者会見で見せる「素」の部分でも好感度が高い。なによりも、「長幼の序」をよく守り、とても礼儀正しい。
俳優は作品に応じて多様な性格を演じていくが、チョン・ヘインとカン・ハヌルとパク・ボゴムには、演じる役を超えて人間的な素晴らしさを感じる。だからこそ、応援したくなる人もこれほど多くなっていくのだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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