Netflix新作シリーズの『隠し味にはロマンス』。カン・ハヌルが演じるハン・ボムは奇妙な男だ。本来は、大手食品会社ハンサンの理事として抜群の才能を発揮するエリートだった。
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頭の回転が早くて、どんどんアイディアが出てくる。しかも、会社に有利になることなら、素敵なレシピをあこぎなことまでして手に入れてしまう。手段を選ばないという意味で、これほど傲慢な男もいないほどだ。それゆえ、敵を作ってしまう。
一番の敵は兄でハンサン常務のハン・ソヌ(演者ペ・ナラ)だ。2人は何かと競い合っている。母親が創業者であり、息子たちは「どちらが後継者になるか」でもめているのだ。そんな中で、ハン・ボムはハン・ソヌのいろいろな妨害工作によって、自分の立場が危うくなってしまう。
その末に、全州(チョンジュ)で食堂を開いているシェフのモ・ヨンジュ(演者コ・ミンシ)を頼るようになった。彼女が経営する食堂は見栄えが悪いのだが、料理は最高レベルだ。それは、モ・ヨンジュが食材を厳選しているからである。
しかも、あまりにも高価なものを選んでいるので採算がまったく合わない。それなのに、ハン・ボムとモ・ヨンジュは一緒に店をやっていくことになる。最初はいがみ合っていた2人なのだが、最良の料理を作ろうとする過程で急接近していく。
結局、店は不可解な放火によって大きな損害を受けるが、その改装資金を捻出しようとして料理フェスティバルに参加することになった。ここで露骨に邪魔をするのが兄のハン・ソヌだ。彼も出展して、徹底的にハン・ボムを潰そうとしている。
それでも、モ・ヨンジュが作ったシンプルなキンパブは大人気を博したが、ハン・ソヌは有名な歌手をわざわざ呼んでイベントを盛り上げ、1位を獲得して狙いどおりになった。そのあおりで、ハン・ボムは2位になってしまった。
それでも、ハン・ボムには得るものが大きかった。共同作業の中でモ・ヨンジュとの距離がグッと近くなり、ついに彼は本心を隠すことができずに「運命の告白」をする。こうして愛が成就する気配があったのに、強烈なライバルが出現した。それが、ユ・ヨンソクが演じる一流シェフのチョン・ミンだ。
かくして3人は札幌まで行くことになり、ハン・ボムとチョン・ミンの対決が熾烈になっていく。後半に入った『隠し味にはロマンス』がますます面白くなってきた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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