5月5日にソウルで開催された第61回百想芸術大賞の授賞式。放送部門では『トラウマコード』が、作品賞をはじめとして男性最優秀演技賞(チュ・ジフン)、男性助演賞(ユン・ギョンホ)、女性新人演技賞(ハヨン)などにノミネートされていた。そうした中で、チュ・ジフンが栄冠を獲得した。
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Netflixシリーズとして『トラウマコード』は世界的に大人気となったが、主演のチュ・ジフンが演じたのは、外科医のペク・ガンヒョクだった。
彼は大学病院の重症外傷センターの新たなリーダーとなったのだが、とにかく常識外の異端者なのである。院長は「赤字を出さない病院経営」しかやらない姑息な男なのだが、ガンヒョクはすぐに反旗を翻した。
彼は、患者を救うためなら、どんなに費用がかかっても、まったく気にしない。最善の治療を尽くし、難しい手術にも敢然と挑んでいく。こうなると、重症外傷センターの存在は経営的に赤字体質の根本になってしまうので、院長は策を弄してガンヒョクを追い出そうと画策する。それでも、彼はまったくひるむことがなかった。
とてつもない情熱と卓越した医療技術があるので、ガンヒョクは絶望の淵にいた患者を次々と救い出していく。確かに、彼は鉄人ではない。精神的な弱さも持っていて、ときには過去のトラウマに苦しめられる。それでも、彼は前を向いて、患者に奇跡をもたらすために奮闘する。
このように、医療界に出現した型破りな天才外科医のガンヒョクは、常識を覆す革命児だ。それだけに、演じるチュ・ジフンも表現スタイルで苦労が多かったと思うが、ほとばしるパワーと状況を急転させる対応力が凄まじかった。
そういう意味でも、『トラウマコード』でのチュ・ジフンは、業界に新しい風を吹き込んだし、新しいタイプの韓国ドラマの先駆者になれる俳優であることを立派に証明した。そのことが評価されて、今回の百想芸術大賞でチュ・ジフンは放送部門の男性最優秀演技賞に輝いたのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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