ドラマ『埋もれた心』が、視聴者の熱い反響の中で盛大に幕を閉じた。
【独占インタビュー】パク・ヒョンシクが語る、不安を自信に変えた俳優としての“挑戦”
権力と欲望、復讐の渦を駆け抜け、最後の瞬間まで高視聴率を記録した『埋もれた心』の中心には、パク・ヒョンシク演じる「ソ・ドンジュ」がいた。
スペクタクルな復讐劇の中心だったパク・ヒョンシクは、キャラクターへの深い没入で説得力ある物語を完成させ、作品の核を担った。
ソ・ドンジュという人物を重厚かつしっかりと築き上げ、俳優としての深みと実力を確かに証明したパク・ヒョンシク。
そんな彼の一問一答を公開する。
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――『埋もれた心』が最終回を迎えた。ソ・ドンジュとの別れを惜しんでいるのでは?長い旅を終えた今、どのような思いで『埋もれた心』とドンジュを見送りますか。
「撮影期間自体は他のドラマと大差なかったのですが、体感的にはとても長く感じました。ドンジュの苛烈な人生を演じる中で感情的に辛い時もありましたが、明るく情熱的な『埋もれた心』チームのおかげで乗り越えられました。今、ドンジュと別れると思うと、たくさんの愛と応援をいただいた分だけ、未練と寂しさが大きいです」
――『埋もれた心』という作品、そしてソ・ドンジュというキャラクターに惹かれた決定的な理由は?台本を初めて読んだ時、どこに心を奪われたか。
「『埋もれた心』は、人間の欲望と野心が絡み合う中で繰り広げられる事件を軸に、さまざまな人物の心理変化を精緻に描いた作品です。それぞれが“自分の宝島”を目指してもがく姿の中で、ドンジュのような野心と復讐心に突き動かされるキャラクターを描いてみたくなりました。これまで演じてきた人物とはまったく異なり、生き残るために常に計算し動く立体的な人物像が非常に魅力的に映りました。多様な側面を持つ人物なので、ドンジュを通じてより深みのある演技をお見せできると期待しました」
――ソ・ドンジュを演じるにあたり、役作りで特に注力した点は?
「ドンジュはテサングループの一族のようにエリートコースを歩んできた人物ではありませんが、「フォトメモリー」という強力な能力を持ち、会長の信任を得て秘書室長にまで上り詰めた人物です。テサンに尽くし、会長からの寵愛を受けながらも、そのせいで一族の他の人物たちから常に牽制を受ける存在です。表向きは強く自信に満ちていますが、その自信ゆえに失敗や裏切りも経験します。最初にドンジュというキャラクターに出会った時、厳しい現実の中で必死に生き抜く若者の姿が思い浮かびました。テサンで生き残り、さらに上を目指す彼の荒々しく困難な人生を、どうリアルに描くかをずっと悩みました」
――パク・ヒョンシクさん自身とソ・ドンジュに似ている点はありますか?
「ドンジュは外からは揺るぎなく強く見えますが、内には深い傷を抱えています。その傷に囚われるよりは、自分の道を黙々と歩んでいくところに、私自身と似た部分を感じます。私も一度下した決定には責任を持って、後悔なくやり抜こうとするタイプなので、そういう点でドンジュにとても共感しました」
――撮影中、特に印象に残っている出来事は?
「南海で海のシーンを撮影したことが一番印象に残っています。目の前に広がる景色があまりにも美しく、しばらく見とれていたのを覚えています。撮影中も、この素晴らしい背景がドラマでどう描かれるのか、とても楽しみでした。いつか必ずまた行きたい場所です」
――ソ・ドンジュは、愛した恋人に裏切られ、銃撃で海に落ち、水拷問まで受け、ついには姉まで失うという極限の感情を経験します。肉体的にも精神的にも過酷だったのでは?
「だからか分かりませんが、いくら食べてもどんどん痩せていくという不思議な経験をしました。もしドンジュのような状況にある人が現実にいたら、はたして耐えられるのだろうか、と考えたりもしました。撮影終盤には、ホ・ジュノ先輩から「この子、骨と皮だけだな。ヒョンシク、撮影が終わったら数カ月旅行でも行って、しっかり休め」と言われました(笑)」
――最終的に、ヨム・ジャンソンから全てを奪い、自分なりのやり方で華麗に復讐を成し遂げたドンジュのエンディングは大きな余韻を残しました。結末は予想していた展開でしたか?そして最後のシーンを演じた時の感想は?
「ドンジュをしっかりと送り出せたことに、少しホッとした感情がありました。これまでドンジュに起きた出来事がパノラマのように脳裏をよぎりました。ヨットの上でのドンジュのエンディングシーンは、実際に『埋もれた心』の最後の撮影日でもありました。「カット!」の声とともに、皆で「お疲れさまでした」と挨拶を交わし、監督や俳優、スタッフの皆さんと一緒に夕陽を見つめたあの静けさは、きっと一生忘れられないと思います」
――『埋もれた心』はパク・ヒョンシクさんのフィルモグラフィーにおいて、最も挑戦的で重要なターニングポイントとなった作品のように見えます。これまでのイメージとは違った姿を見せ、「パク・ヒョンシク再発見」という称賛もありますが、今回の作品を通じて自分自身に対して新たに発見したことはありますか?
「自分がこんなに体力と精神力がある人間だったとは、初めて知りました。今振り返っても、どうやってやり遂げたのか信じられないくらいですが、『埋もれた心』チームのエネルギーがなければ不可能だったと思います。今回の作品でお見せした姿も、結局は私の中にあったもの。それを引き出してお見せできたことが本当にうれしいです」
――『埋もれた心』を愛してくださった視聴者の皆さんへ、最後のご挨拶をお願いします。
「すべての視聴者の皆さんが、それぞれの『宝島』を見つけられることを願っています。そして何より、大切な家族、友人、仲間が、その宝島よりも常に先にあることを望んでいます。これまで『埋もれた心』を愛し、ソ・ドンジュを応援してくださったすべての方に心より感謝申し上げます。今後も良い姿でお会いできるよう努めます。いつも幸せでいてください」
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