Netflixオリジナルシリーズ『おつかれさま』の成功要因についてさまざまな分析があるなか、特に「分割公開」が功を奏したとの評価が高まっている。
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Netflixオリジナル作品は、これまで全話一挙配信を原則としてきた。
しかし『おつかれさま』はその例を破り、全16話を2025年3月7日から毎週金曜日に4話ずつ公開する「分割公開」を採用した。
あるドラマ関係者は「一挙配信か分割公開かをめぐって議論があったが、作品の性質上、全話を一気に消化するよりも、時間差を持たせて徐々に公開する方が効果的だと判断した。各エピソードにじっくりと向き合う時間を確保することで、ストーリーやキャラクターへの没入度が高まる」と語る。
また別の関係者は「『おつかれさま』はこれまでのNetflix作品とは雰囲気が異なっていたため、従来の“全話イッキ見”スタイルに慣れた視聴者に受け入れられるか半信半疑だった。しかし結果は大成功」と振り返った。
エピソードを段階的に公開したことにより、各話ごとにレビューや議論が活発になり、継続的な関心と口コミが広がった。
これが作品の話題性を高め、新規視聴者の流入にもつながった。
また、毎週新エピソードが配信されることで、視聴者離れを防ぐ効果もあった。
このような成果を受けて、今後のNetflixにおけるコンテンツ公開方式の変化にも注目が集まっている。
『おつかれさま』が、いわゆるオール・アット・ワンス(全話同時公開)方式の弱点を補完したからだ。
従来の一挙配信では、短期間で全話を視聴した後、視聴者がプラットフォームから離れてしまう傾向があったが、分割公開はそれを防ぎ、長期的な利用を促進する効果があると分析されている。
もちろん、一部の視聴者からは「やっぱり一気に観たい」という声もあり、分割公開に対して物足りなさを感じる意見も見受けられた。
しかし、最終的に『おつかれさま』の分割公開は、視聴者維持や視聴数の増加、話題性の拡大、そしてコンテンツ消費の新たなスタイルへの対応など、多方面で有意義な成果を収めたと評価されている。
実際に『おつかれさま』は配信直後、韓国を含む9カ国でランキング1位を獲得。配信開始3週目にはグローバルTOP10(非英語シリーズ)で1位に輝いた。
第4幕(第13~16話/VOL.4)の公開後には、累計600万視聴(総視聴時間を作品のランタイムで割った値)を記録し、グローバルTOP10(非英語)で3位にランクインするなど、華やかな成果を収めた。
さらに、オンライン話題性分析機関GOODDATAは、公開から5週目時点での『おつかれさま』の累積話題性スコアが、同期間の『イカゲーム』シーズン2や『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』を上回ったと発表している。
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