韓国で起きている「性的シーン過多」問題の真相。『元敬』は過去の轍を踏むのか

2025年01月18日話題 #OSEN

俳優たちの堅実な演技力と斬新なストーリーだけでは自信が足りなかったのだろうか。tvNとTVINGのオリジナルドラマ『元敬』が、結局「露出で成功し、露出で失敗する兆し」を見せ始めている。

1月16日、あるメディアは、tvNとTVINGのドラマ『元敬』の俳優たちが撮影前のコンテ段階で露出の度合いが高いことを初めて知ったと報じた。台本にはベッドシーンの説明はあったものの、露出に関する直接的な説明はなく、撮影前のコンテ段階で制作陣が露出の度合いを引き上げたという。

実際、『元敬』は「15歳以上観覧可」と「19歳未満観覧不可」の2つのバージョンで制作されている。tvNで放送されるのは一部の身体露出シーンを削除した15歳以上観覧可のバージョンである一方、TVINGでは15歳以上観覧可のバージョンと「19禁」バージョンが共に公開されている。

この「19禁」バージョンの過激さは初回から衝撃的だった。太宗イ・バンウォン（イ・ヒョヌク）と元敬王后（チャ・ジュヨン）は、宮女たちが見守る中でも臆することなく愛を交わし、濃厚なベッドシーンが約2分間続いた。

成熟した雰囲気と胸の露出は、「19禁」というラベルの下、視聴者にそのまま届けられた。また、チェリョン（イ・イダム）が太宗イ・バンウォンの寵愛を受ける過程での露出も衝撃的だった。

その結果、話題性と視聴率は高まった。第1話の視聴率は、首都圏世帯で平均5.1%、最高5.9%を記録。tvNの月火ドラマで昨年1月に放送された『私の夫と結婚して』以来、初めて初回視聴率が5%を突破した。その後も視聴率の上昇と話題性で、2025年の新年を熱く盛り上げている。

これらの女優たちの露出シーンは、CG作業を通じて実現したものと判明した。チャ・ジュヨンとイ・イダムは上半身を大胆に脱ぎ、強烈な印象を残した。しかし、OSENの確認によると、演出意図に基づき露出した2人の主要俳優の身体の一部はCGで補完されている。

問題となっているのは、制作陣と俳優たちの間の合意点だ。チャ・ジュヨンとイ・イダムは衣服を着たまま該当シーンを撮影したが、制作陣は代役俳優の体を合成して放送。所属事務所が放送前にこのシーンの編集を要求したものの、制作陣は「必要なシーン」という理由で受け入れなかったと伝えられている。

この件を受け、一部では露出の強要やディープフェイク技術への懸念が提起された。しかし、『元敬』制作陣は「最初からtvNとOTTバージョンを差別化することを企画し、キャスティングを進めた。露出シーンがあることもオープンな状態だった。露出の度合いについては、キャラクターやシーンの特性に応じて俳優ごとに進め、制作の各段階で所属事務所および各俳優と協議を行った」と述べた。

とはいえ、制作陣のこのような弁明にもかかわらず、「露出を話題作りのためのノイズマーケティングに利用したのではないか」という批判からは逃れられていない。

15歳以上観覧可の編集版でもストーリーを理解するのに問題がないことから、「そこまでするほど露出シーンがこのドラマの構成に重要なのか」という疑問が依然としてつきまとっている。

さらに、ディープフェイクによる性犯罪が横行し、大衆がAI合成に敏感になっている昨今、女性が主な視聴層であるロマンスドラマにおいて、代役の裸を主演俳優の顔に合成してまでストーリー進行に不要な露出シーンを登場させることは、ディープフェイク技術の悪用に対する視聴者の反感を増大させる懸念が大きい。