U-NEXTで配信中の韓国時代劇『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(JTBC)が洗練された演出やセンスに富んだビジュアルと音楽などで完成度を高めているなか、各分野の監督たちが制作過程について語った。
まず、撮影を担当したキム・ジョンウォン監督は「『オク氏夫人伝』に取り組む中で、クドクという人物の物語について深く考えた。過去の階級社会で最も冷遇されていた奴婢が、両班家の令嬢へと身分を変え、弱者の代弁者になる女性として描かれる点に注目した。強く毅然としながらも、どこか儚さを持つ姿を表現しようとした」と、撮影における重点ポイントを明かした。
また、毎回映し出される美しい絶景については「チン・ヒョク監督は四季の移ろいを描きたがっていた。奴婢時代の悲惨な生活をリアルに見せるため、実際に吹雪の日を選んで雪山を彷徨ったりしたし、冬の川を渡る場面も撮影した。身分が変わった後は、咲き誇る花々とともに美しい山や湖の風景を背景に撮影を行った」と、撮影秘話を明かした。
『オク氏夫人伝』独自のビジュアルを生み出した美術監督のキム・ソヨンは「全体的なコンセプトは“現代劇への置き換え”だった。台本を読んだ際、単なる過去の物語ではなく、現代の私や身近な人々の物語のように感じたため、作品の空間も現代にありそうな場所としてデザインした。現代的な要素を取り入れながらも、伝統的な美学を損なわないようバランスを取ることに注力した」と述べた。
大きな反響を呼んだチョン・スンフィの公演シーンについては、キャラクターの「夢」を表現したという。
「『オク氏夫人伝』は夢を描く物語だと思う。そのため、最も際立たせたかったのが“夢”を象徴する空間だった。チョン・スンフィが自らの夢を観客に見せる舞台は、彼の情熱と成功を誇示する場として、華やかでダイナミックに演出した」
最後に、音楽監督のチョン・イェギョンは、aespaのウィンターが歌った挿入歌『献呈恋書』について「本作が描く愛の質感は、自分よりも相手を思いやる、礼節を重んじた美しい恋情なので、それを表現するためにこの切なさを込めようとした。ウィンターには『この曲はオーケストラそのものがウィンターさんの声の一部になるから、まるで羽根をそっとオーケストラの上に乗せるような感覚で歌ってほしい』とお願いした」と語った。
また、公演シーンの音楽も直接手掛けたチョン・イェギョン監督は「チン・ヒョク監督から事前に公演シーンがあると聞いていたので、『信じて任せてください』と答え、それに応えるために舞台音楽の経験を生かして多くの努力を注いだ」と情熱を見せた。
制作陣の深いこだわりと努力が詰まった『オク氏夫人伝』ならではのディテールは、俳優たちの熱演と緻密なストーリー展開を一層際立たせ、視聴者の没入感を高めている。
自分の人生を力強く切り開いていくイム・ジヨンとチュ・ヨンウの物語がさらに深まる『オク氏夫人伝』は、毎週土・日曜日に放送中。日本U-NEXTでも配信中。
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