コ・ヒョンジョンは、韓国ドラマが描く「波乱万丈な物語」のような人生を歩んだ人だ。彼女は今や伝説となっている傑作ドラマ『砂時計』(1995年)で大ブレイクして女優としての地位を固めた。
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しかし、その時すでに情熱的な恋愛をしており、結局は結婚して芸能界を引退した。相手の男性は新世界グループの財閥家三世であり、その結婚は韓国でセンセーショナルに取り上げられた。
2人の子供にも恵まれて優雅な生活をしていると思われたが、スポーツ新聞の芸能欄を大々的に揺るがす記事が2003年11月に載った。なんと、コ・ヒョンジョンの離婚が報じられたのだ。しかも子供の親権を奪われてしまった。
それがどんなに辛いことなのか。子供を持つ母親であれば誰もがわかるだろう。結局、コ・ヒョンジョンは財閥家からも見放されて、生活のために女優として再スタートせざるを得なかった。それは苦難の多い日々の始まりだった。
『砂時計』で一世を風靡した頃とは違い、すでにコ・ヒョンジョンは当時の人気を得ることができなかった。彼女としても本当に悶々とした日々を過ごしたことだろう。
そんな彼女に転機をもたらしたのが、2009年に大ブームを巻き起こした『善徳女王』だった。
このドラマで、コ・ヒョンジョンは新羅(シルラ)で絶大な権力を握っていた怪物ミシルに扮して、強烈な存在感を見せた。そのキャラはまさに「強い意志を持った鉄の女性」。たとえ国王に対しても決して負けない強靭な女性であった。
こうして彼女は女優として明確な最強キャラのイメージを構築した。その路線を最大限に生かしたのが今回の『ナミブ―砂漠と海の夢―』である。
演じる役は芸能事務所の代表理事カン・スヒョンだ。絶大な権限を持った大物プロデューサーなのだが、社内の反対派に裏切られて突然解雇されてしまった。理由は所属グループへのパワハラだが、明らかに罠にはまったのだ。再起を目指す彼女は、同時に解雇された練習生ユ・ジヌ(リョウン)と一緒に新しいチャレンジに進んでいく。
まさに、カン・スヒョンこそがコ・ヒョンジョンが築いた「強い意志を持った鉄の女性」であり、得意のキャラが『ナミブ―砂漠と海の夢―』で快調に突き進んでいく。U-NEXTで配信中であり、今後の展開がとても楽しみだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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