【仰天『チャングム』】「子供のとき年下だったのに大人になると同年齢」これってあり?

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「韓国時代劇の大傑作」と称される『宮廷女官チャングムの誓い』は、韓国MBCで2003年から2004年まで放送された。あまりに人気を集めすぎたので、当時はネット上で様々な論議を呼んでいた。その中の一つは、イ・ヨンエが演じたチャングムとホン・リナが扮したクミョンの関係性だった。

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子役時代を振り返ってみると、チャングムはクミョンを「姉さん」と呼んでいた。つまり、チャングムのほうが年下だったのだ。

しかし、2人が大人になった後は、どういうわけか同年齢の設定になっていた。チャングムはもうクミョンのことを「姉さん」と呼んでいないのである。そして、お互いに名前を呼び合っている。これが同年齢の証だ。

なぜ、大人になってから2人の年齢差がなくなったのか。これに対してイ・ビョンフン監督は次のように説明した。

「クミョンがチャングムよりも年上だった場合、ドラマが進むうちに混乱する部分がかなりあるということに気づき、仕方なく同年齢という間柄に変えたのです。現実的に私たちの社会でも年齢の少しの違いは、そのまま親友として過ごすケースもあるのではないでしょうか」

『チャングムの誓い』
ホン・リナがクミョンを演じていた(写真=2003-2004 MBC)

イ・ビョンフン監督の狙い

なんとも言い訳がましい弁明だ。確かに、クミョンがチャングムより年上になると、先輩と後輩の間柄になって激しいライバル関係を表現しづらい。そのあたりを考慮して制作側は2人を同年齢に設定しなおしたのだ。

年齢の上下関係に厳しい韓国では、1歳違うだけで関係性がガラリと変わってしまう。言葉遣いも「タメグチ」から「尊敬語」に変えなくてはならない。そういう背景があるので、イ・ビョンフン監督は後の展開に役立つように年齢の設定を変えたのである。

それによって、ドラマの後半でも、同年齢のチャングムとクミョンのライバル関係が熾烈になっていった。そういう意味で、子供と大人で2人の年齢差を変えたイ・ビョンフン監督の狙いはピタリと当たった。このように、ドラマを面白くするために、「何でもやる」のが名監督の条件かもしれない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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