テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『宮廷女官チャングムの誓い』。前半の展開の中で、重鎮俳優として貫禄を見せていたのがヨ・ウンゲだった。
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彼女が演じたのは、最高(チェゴ)尚宮となっていたチョン尚宮である。権力に抵抗して正しい料理の道を歩む信念の人だ。中宗(チュンジョン)にも頼りにされていたし、イ・ヨンエが演じたヒロインのチャングムにも大きな影響を与えた。
それほど信頼されていたチョン尚宮を演じたヨ・ウンゲの存在感は、ドラマを大いに引き締めていた。『宮廷女官チャングムの誓い』が韓国で放送されていた当時も、ドラマが大ヒットして視聴率がどんどん上がっていったときにヨ・ウンゲは「一等功臣」と称された。本当に評価が高かったのである。
彼女は40年以上の演技キャリアがあるにもかかわらず、撮影現場でいつも謙虚にふるまい、セリフの練習を何度も繰り返していた。また、撮影中は後輩俳優たちにも丁寧に演技を指導している。
特に、イ・ヨンエ、ホン・リナ、パク・ウネが言うセリフの助詞にまで注意を払って、適切なアドバイスをしている。さすがに「大ベテランは違う」と周囲からも一目置かれるほどだった。
演出を担当したイ・ビョンフン監督はキャスティングの段階で、出演者の中にぜひともヨ・ウンゲを入れたいと願っていた。彼女の存在が、連日の撮影で疲労困憊する俳優や制作スタッフへの大きな「刺激剤」になると考えたからだった。
なにしろ、芸能界での経験が豊富であるだけに、彼女がいるだけで撮影現場の雰囲気はキリリと引き締まった。しかし、実際のヨ・ウンゲは制作陣に対して配慮をひとときも忘れなかった。あるときは、撮影関係者のみんなを味が評判の食堂に招待して、自らご馳走をふるまったりもした。
「ヨ・ウンゲ先生が撮影現場にいるだけで士気が高まりますよ」
そういうスタッフの声を聞いて、イ・ビョンフン監督も本当にありがたかったという。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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