傑作時代劇『宮廷女官チャングムの誓い』の前半を見ていて、イ・ヨンエが演じた女官のチャングムは苦労の連続だった。しかも、料理人なのに味覚を失ってしまうという致命的な弱点を抱えてしまう。そんなチャングムを陰ながら応援して彼女を助けていくのが、チ・ジニが扮したミン・ジョンホだった。
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優秀な官吏のミン・ジョンホは、チャングムに対して男としての好意を持ち続けていた。その気持ちはチャングムにも十分に伝わっていたはずだ。しかし、2人はその愛情をあからさまに出すわけにはいかなかった。なぜなら、王宮の中で女官は男性との恋愛がご法度になっていたからである。
なにしろ、あらゆる女官は「国王と結婚した立場」と見なされていた。つまり、「国王の女」と同様だったのだ。それなのに、女官が他の男性と恋愛関係に陥ったら不敬罪に該当した。重罪は免れなかったのだ。それだけに、王宮にいる男女は、恋をするのも命がけだった。
その点はミン・ジョンホも承知していた。どんなにチャングムのことが好きでも、その気持ちを隠し通さねばならなかった。そうした感情をグッと抑える演技においてチ・ジニは本当に繊細さを見せていた。このあたりの表現力がチ・ジニはとても巧みだった。
その点は共演のイ・ヨンエも大いに認めていた。彼女はチ・ジニについて「今まで共演した俳優の中でも、特にすばらしい俳優」と絶賛した。普段口数が少ない彼女が共演した俳優を称賛するのは非常に珍しいことだ。それほど、イ・ヨンエにとってチ・ジニの存在は大きかったのである。
実際、チ・ジニは俳優仲間やスタッフから信頼されている。彼が『宮廷女官チャングムの誓い』に出演できたのも、彼が過去に出演した作品の制作スタッフが積極的に推薦してくれたからである。
もちろん、強さと優しさを併せ持ったチ・ジニのキャラクターが、ミン・ジョンホの役とよくマッチしていると判断されたことが起用につながった。それと同時に、人間性の良さが長期にわたる難しい撮影にふさわしいと思われたことも事実だった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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