ゴールデンウィークになって時間に余裕ができたら、ぜひ意外な時代劇にも目を向けてみよう。時代劇というと、誰もが高く評価している人気作に関心が集中する傾向が高い。しかし、歴史好きな人が多い韓国で作られる時代劇には、埋もれがちな「意外な傑作」がたくさんあるのだ。そんな中から今回は3つの作品を厳選した。
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●『風と雲と雨』(2020年/TV CHOSUN)
出演者(役名)/パク・シフ(チェ・チョンジュン)、コ・ソンヒ(イ・ボンリョン)、チョン・グァンリョル(イ・ハウン/興宣大院君)、ソンヒョク(チェ・インギュ)
〔見逃してはいけないポイント〕主人公は人間の運命を四柱推命で占うチェ・チョンジュン。この天才が1860年代の王位継承問題に果敢に挑んでいく。内容も史実を巧みに生かしていて、時代劇ならではの重厚感を存分に堪能できる。しかも、チェ・チョンジュンが政治を牛耳る高官の一族と果敢に対決する場面が迫力満点だった。
後半では、チョン・グァンリョルが扮する興宣大院君(フンソンデウォングン)が権力を握って人間が変わっていく様子が克明に描かれていた。全編にわたって、歴史の凄さを実感できる会心作だった。
●『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』(2019年/KBS)
出演者(役名)/チャン・ドンユン(チョン・ノクドゥ)、キム・ソヒョン(トン・ドンジュ)、カン・テオ(チャ・ユルム)、チョン・ジュノ(光海君)
〔見逃してはいけないポイント〕当初は軽いノリの時代劇と思われるかもしれない。チャン・ドンユンが演じる主人公ノクドゥは、男子禁制の村に入り込むために女装して弱々しい女性に扮していたからだ。
確かに、設定が奇抜なのだが、中盤からは王位をめぐる争いがスリリングに描かれていて、とても見応えがあった。特に、光海君を中心に扱った部分は歴史の壮大さをよく出ていた。共演のキム・ソヒョンの演技も良かったし、全体的にすこぶる内容が充実していて、最後まで視聴者を飽きさせない。
●『華政〔ファジョン〕』(2015年/MBC)
出演者(役名)/イ・ヨニ(貞明公主)、チャ・スンウォン(光海君)、キム・ジェウォン(仁祖)、ソ・ガンジュン(ホン・ジュウォン)
〔見逃してはいけないポイント〕間違いなく史実に基づいた時代劇の傑作だ。17世紀前半の朝鮮王朝の歴史を巧みに描いていて、当時の時代背景を知るうえで貴重なドラマになっている。
圧巻なのは、光海君(クァンヘグン)と仁祖(インジョ)という2人の国王を見事に対比させているところ。特に、光海君を演じたチャ・スンウォンの人間味あふれる表現力が秀逸だった。また、イ・ヨニが演じた貞明公主(チョンミョンコンジュ)のキャラクターが魅力的。とにかく、韓国時代劇の数多い作品の中でもトップクラスの出来ばえである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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