岩明均の『寄生獣』(講談社刊)を原作としたNetflixオリジナルシリーズ『寄生獣 ーザ・グレイー』が反響を得ている中、原作者である岩明均のインタビューが公開された。
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岩明均のインタビュー全文は以下の通り。
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0. 韓国で原作が新しい物語として誕生したことについての感想を教えてください。
「何より『新しい話』という点でワクワクしました。原作者であると同時に驚きと感動を味わう一人の観客でもあるので。原作漫画が日本で映像化された時に思ったのですが、僕にとって原作漫画は『子供』で、アニメと実写映画は『孫』のような感じです。僕個人の手作業で小さな部屋から生まれたのが『子供』で、その子が世の中に出て多くの人々の知恵と経験、技術に出会って誕生したのが『孫』です。今回、韓国でも『孫』が生まれることになり、とても嬉しいです。そしてそれが他の場所を舞台にした新しい物語ということで、僕の想像をはるかに超える世界へ案内してくれると思います」
1. 原作漫画は様々な形で実写化されましたが、今回初めてNetflixを通じて韓国版が制作され、世界中の視聴者に公開されます。原作者としてどういう気持ちなのでしょうか。
「地球上のちょっと違う場所で『寄生獣』を作れば、ちょっと違う話が生まれる、ということを世界各国の視聴者が吟味し、楽しんでいただきたいと思います」
2. Netflixシリーズ『寄生獣 ーザ・グレイー』はどうご覧になりましたか。
「原作をとても尊重してくださるという感じを受けました。その一方で、独自の発想とアイデアがあちこちで垣間見え、僕は原作者であると同時に完全な観客として楽しく見ました。エピソードごとに展開もダイナミックだし、テンポも速くてとても面白かったです」
3. 『寄生獣 ーザ・グレイー』は、日本で生まれた物語の舞台を韓国に移すことで、原作の魅力とはまた違った新しい要素が登場します。舞台が韓国になって変わった設定のうち印象的な部分はありましたか?
「主人公がとても長い時間、自分に何かが寄生していることに気づかず、その『何か』からの手紙で状況を認知する設定がとても良いアイデアだと思いました。原作はもう30年以上前の漫画ですが、原作者以外のクリエーターの方々の知恵を借りれば、新しくて多様な方向に成長できる素材なんだなとも思いました」
4. 『寄生獣 ーザ・グレイー』では様々な寄生生物が実写化されましたが、VFXで具現化された部分はどうだったでしょうか?
「VFXについて僕は本当に門外漢というか、完全に観客の立場なんですよね。ただすごいと思うだけでした。日本の実写映画や今回のドラマでも、VFXの部分ではひたすら圧倒され、ただ見とれて楽しみました」
5. 『寄生獣 ーザ・グレイー』のお気に入りのシーンを教えてください。
「ジュンギョンが元夫だった寄生獣を感知する猟犬の死体を見て、悲しみに耐えるシーン。複雑な心境を抑えて表現したのが良かったです。今まで見たことのない奇異で冷たい感じのキャラクターだったので、より効果的だと感じました。また、スインの恩人であるキム刑事(=チョルミン)が殺されるシーン。あまりにもスピーディーに展開され、唖然としました。最後の訪問者シーンも僕個人的には好きです」
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