フジテレビで放送されている『SKYキャッスル～上流階級の妻たち～』を見ていると、「超高級住宅に住んで贅沢三昧の生活を送っている人たちも決して楽でない」と思ってしまう。主人公のハン・ソジン(ヨム・ジョンア)は、娘をソウル大学に入学させるために本当に必死になっている。
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有能な入試コーディネーターで受験生を希望の大学に入学させるスペシャリストのキム・ジュヨン(キム・ソヒョン)に気に入られるために、わざわざ弁当の中に高価な金をしのばせる、という細工までしなくてはならなかった。
「金持ちだからこそ、かえってハラハラするような人生を送らなければならない」
そんなふうに思ってしまう。セレブにはセレブなりの悩みがあるのだろう。
それは、セレブのダンナたちも同様だった。
ハン・ソジンの夫であるカン・ジュンサン(チョン・ジュノ)も、ピリピリするような毎日を過ごしている。彼はジュナム大学病院の整形外科長なのだが、さらなる出世のために自分の自我をむきだしにしている。
しかも同じジュナム大学病院の神経外科教授のファン・チヨン(チェ・ウォニョン)に強烈なライバル心を持っていて、自分が有利な立場になるために相手の弱点を徹底的に突こうとしている。そうやって、カン・ジュンサンは病院の中で政治的な動きを活発に行なっているのだ。
実際、超高級住宅のセレブたちの夫はジュナム大学の教授クラスが多くて、「他人を卑下して自分が一番だと思っている鼻持ちならないナルシスト」が目立つ。
それゆえ、『SKYキャッスル～上流階級の妻たち～』の登場人物を見ていくと「善意」「謙虚」「助け合い」という美徳があまり感じられず、むしろ「悪意」「傲慢」「野心」というキーワードが次々に思い浮かぶ。
そんな人たちが繰り広げるドラマだけに、一筋縄ではいかない展開が次々に続いていく。「セレブになるのも大変だ」と思わせてくれるのが『SKYキャッスル～上流階級の妻たち～』なのである。
文＝大地 康
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