異様に暑かった9月までとは違って、いよいよ過ごしやすい季節となった。となれば、「芸術の秋」「スポーツの秋」「食欲の秋」と秋らしい楽しみがどんどん増えるが、忘れてならないのは「恋愛の秋」。この季節には、しっとりと落ち着く恋愛がふさわしい。そこで、韓国ドラマで抒情性に優れていた恋愛ドラマを5本選んでみた。
【関連】『愛と、利と』は「金で愛は買えるのか」を問うドラマなのか
●その1/『花様年華~君といた季節~』
放送年・放送局/2020年・tvN
全話数/16
出演者(役名)/ユ・ジテ(ハン・ジェヒョン)、イ・ボヨン(ユン・ジス)、ジニョン〔GOT7〕(若い時のジェヒョン)、チョン・ソニ(若い時のジス)
〔作品ワンポイント解説〕
・中年で再会した主人公2人をユ・ジテとイ・ボヨンが扮し、2人の若き日をジニョンとチョン・ソニが爽やかに演じた。
・40代で悩みが多い日々とハツラツとした青春の日々を対比しながら物語が進んでいく。
・学生運動に打ち込んでいたジェヒョンは非情な経営者となって労働者の解雇を進めていた。一方のジスは弁護士の夫と離婚してシングルマザーとなっていた。
・2人にとって花様年華(人生で最も輝いた瞬間)が再びやってくるのだろうか。
・ノスタルジックな心地よさを感じるような内容となっている。
●その2/『その年、私たちは』
放送年・放送局/2021-2022年・SBS
全話数/16
出演者(役名)/チェ・ウシク(チェ・ウン)、キム・ダミ(クク・ヨンス)、キム・ソンチョル(キム・ジウン)、パク・チンジュ(イ・ソリ)
〔作品ワンポイント解説〕
・主人公は、天才的なセンスを持ったイラストレーターのウンと、強い意志で人生を切り開くヨンス。
・2人は高校時代の同級生。ドキュメンタリー番組を通して、10年にわたる離別と邂逅の瞬間を描いていく。
・ウンは淡々と我が道を行く自然派で、チェ・ウシクが柔らかい感性で演じた。
・ヨンスは周囲と妥協せずにストレートに生きる。キム・ダミがテンポよく快活に演じていた。
・青春ドラマとして珠玉の名場面に彩られた名作であった。
●その3/『愛と、利と』
放送年・放送局/2022-2023年・JTBC
全話数/16
出演者(役名)/ユ・ヨンソク(ハ・サンス)、ムン・ガヨン(アン・スヨン)、クム・セロク(パク・ミギョン)、チョン・カラム(チョン・ジョンヒョン)
〔作品ワンポイント解説〕
・銀行の支店を舞台にして4人の男女の愛と別れを描いている。
・エリート銀行員のサンスは契約社員のスヨンに好意を寄せるが、学歴や生活環境の違いで、素直に思いを伝えられない。そのもどかしさが淡々と表現されていく。
・スヨンは魔性の雰囲気を持った女性。その美貌によって男性社員からも注目のマトになっているが、父親との不和が深刻になっていた。
・サンスとスヨンの愛は成就するのか。最後まで予断を許さぬ展開になっていく。
●その4/『二十五、二十一』
放送年・放送局/2022年・tvN
全話数/16
出演者(役名)/キム・テリ(ナ・ヒド)、ナム・ジュヒョク(ペク・イジン)、ボナ(コ・ユリム)、イ・ジュミョン(チ・スンワン)、チェ・ヒョヌク(ムン・ジウン)
〔作品ワンポイント解説〕
・フェンシングに打ち込む女子高校生ヒドとアルバイトを掛け持ちする苦学生イジン。2人の青春の軌跡を丹念に描くドラマだ。
・主人公2人が友人3人を交えて一緒に行った夏の海岸旅行のシーンが珠玉。
・それぞれの夢を叶えたヒドとイジン。しかし、激動の日々が2人の将来に襲い掛かってきた。
・名セリフが多く映像も美しかった。本当に余韻が残るドラマだ。
●その5/『恋慕』
放送年・放送局/2021年・KBS
全話数/20
出演者(役名)/パク・ウンビン(イ・フィ/タミ)、ロウン(チョン・ジウン)、ナム・ユンス(イ・ヒョン)、チェ・ビョンチャン(キム・ガオン)
〔作品ワンポイント解説〕
・『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で絶大な人気を得たパク・ウンビンが前作で時代劇の恋愛劇に挑んでいだ。
・双子が世子嬪(セジャビン/世子の妻)から生まれて数奇な運命をたどっていく。
・大人になった主人公のイ・フィは、男装して冷淡な世子になっているが、ロウンが演じる学問の師匠ジウンに惹かれていく。
・冷たい態度を見せながら愛情を持ち続けるという葛藤をパク・ウンビンが繊細に演じていた。
・韓服がよく似合うロウンのイケメンぶりが目立っていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】Netflixで大人気!『花様年華』が描く世界が心地よい理由とは?
前へ
次へ