「今までの人生で輝いていた時期はいつだったのか」。視聴者に向けて、そんな問いを投げかけるドラマが『花様年華~君といた季節~』だ。
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話題沸騰のドラマにまじってNetflixの人気ランキングで上位に入っているのも、描かれているテーマにノスタルジックな心地よさを感じる人が多いからに違いない。
中年で再会した当事者を演じているのがユ・ジテとイ・ボヨン。そして、2人の若き日に扮しているのがジニョン(GOT7)とチョン・ソニだ。
ドラマは、若き青春の時期と40代で苦悩多き日々を交互に描きながら進んでいく。
ユ・ジテが演じるハン・ジェヒョンが刑務所から出所するところからストーリーは始まる。彼は大企業グループの会長の婿で、会長の罪をかぶって刑務所に入っていたのだ。
副社長として復帰したジェヒョンは、中学生の息子が椅子を投げられて怪我をしたという連絡を受けて学校に駆け付ける。そのときに驚愕する事実を知る。相手の中学生の母親が、大学時代に後輩だったユン・ジス(イ・ボヨン)だったのだ。彼女はジェヒョンがずっと探していた最愛の人であった。
しかし、現在は立場がまるで違ってしまった。社会の不正義と戦うために学生運動に明け暮れていたジェヒョンは、裕福な生活を得た代わりに非情な経営者の側にまわって労働者の解雇を進めていた。妻(会長の娘)との関係も冷え切っていた。
一方のジスは、弁護士の夫といがみあって離婚し、シングルマザーとなっている。しかし、生活は苦しく、ピアノの講師や演奏でかろうじて生活を保っていた。
こうして立場の違いが鮮明になるが、20年前の2人には「まばゆいばかりの青春」があった。
ドラマが2人の若き日々を描けば描くほど、「今」の両者の鬱屈(うっくつ)した日々が悲しくなる。
果たして、2人にとって花様年華(人生で最も輝いた瞬間)は再び訪れるのか。
あるいは、とっくに過ぎ去ってしまって二度と再現できないのか。
2つの時代が同時進行で進む『花様年華~君といた季節~』は、ノスタルジックな追憶と厳しい現実を対比して見せてくれるドラマだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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