【『赤い袖先』の正念場】イ・サンはなぜ大きな賭けに出たのだろうか

このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ東京で放送中の『赤い袖先』。10月4日の第24話では、ソン・ドギムが「男性と情を交わした」という嫌疑をかけられた。もしそれが事実であれば宮女として大罪を受けなければならない。

【関連】【知られざる真実】『赤い袖先』で描かれなかった史実とは何か

なぜなら王宮で奉職している宮女たちは、立場上は国王と結婚していると見なされていたからだ。それゆえ、宮女が他の男性と恋愛関係に陥れば、厳しい処分を受けなければならなかった。場合によっては死罪になることもあったのだ。

このように、重大な疑いを持たれたソン・ドギムは大ピンチに陥った。しかし、相手の男性は実の兄であった。そのことを弁明すれば疑いが晴れるのに、官職に就いた兄が不利益を受けると心配したソン・ドギムは、実の兄であったことを一つも語らなかった。

それゆえ、ソン・ドギムは大罪に処される可能性が高くなったが、そこに助け舟を出してくれたのが恵慶宮(ヘギョングン)であった。彼女の証言によってソン・ドギムの疑いは晴れた。そういう場面に立ち会っていたイ・サンは、ついにソン・ドギムを寝室に呼ぶ決断をした。

それは、ソン・ドギムにとって「全てを失う可能性が高い」ということをイ・サンは知っていた。彼がこんなにもソン・ドギムを愛していたのに、彼女のほうは「お慕いしておりません」と明言していたが、果たして本心だったのだろうか。むしろ、ソン・ドギムの宮女としての意地がそう言わせていたのかもしれない。

『赤い袖先』でイ・ジュノがイ・サンを演じた(NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)

愛する女性との幸せな時間

つまり、自立した女性として生きていくために、あえてソン・ドギムは本心を隠したのだ。そのことを実際に試してみたくなったイ・サンは、ソン・ドギムと一夜を共にする決意を固めた。それでもソン・ドギムが心を開かなければ、イ・サンは彼女を遠くまで手放すつもりであった。

しかし、ソン・ドギムは女性の幸福を感じながら、イ・サンの胸に抱かれたのであった。それは、彼女が「宮女の意地」という態度からも解放される瞬間であった。それを見届けたイ・サンは、心の底から愛する女性との幸せな時間に陶酔した。

文=大地 康

【写真】女優イ・セヨン、『赤い袖先』の見どころは「女官の目線」

【関連】【歴史コラム】『赤い袖先』のソン・ドギムの人生。実際にはどんな女性だったのか

【関連】【これを見逃したら韓流が泣く】過去10年の傑作時代劇/究極ベスト5

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事