我が家も妻が韓国ドラマを見るようになってから、夫婦の会話がたくさん増えてきた。まさに、韓国ドラマは夫婦円満の秘訣になってきたのだ。たとえ喧嘩で家庭内が不穏な空気になっても、ドラマを見て仲直りのきっかけにしよう。そこで、夫婦で一緒に見られる作品を5本選んでみた。2人で夢中になってドラマを見る瞬間は素敵な時間になるだろう。
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●ランキング5位/『クイーンメーカー』(2023年/Netflix)
雌雄を決する選挙戦というのはドラマの題材にピッタリで、手に汗握る攻防が面白くて夫婦で釘付けになるはず。舞台はソウル市長選挙戦。仕掛け人のファン・ドヒ(キム・ヒエ)は巨大企業ウンソングループの戦略企画室長として腕をふるったが、会長ソン・ヨンシム(ソ・イスク)と娘婿のペク・ジェミン(リュ・スヨン)に裏切られて人生が変わった。
憎きジェミンがソウル市長選挙に出馬することになり、彼女は対抗馬として人権弁護士のオ・ギョンスク(ムン・ソリ)をかつぎだして、選挙参謀として奮闘していく。究極の選択を迫られる修羅場の連続だが、脚本が素晴らしいので夫婦そろって夢中になれるに違いない。
●ランキング4位/『社内お見合い』(2022年/SBS)
どんなときでもラブコメは特効薬で、夫婦喧嘩の後は底抜けの笑いが必要だ。それなら、キム・セジョンが演じる食品会社研究員シン・ハリのキャラがお勧め。恐れを知らない顔面演技で強烈に笑わせてくれる。
そんなシン・ハリと偽装恋愛をすることになったのは、若く有能ながら強烈なナルシストの社長カン・テム(アン・ヒョソプ)。創業者の祖父の結婚強制を切り抜けるための奇策に取り組んだが、格差だらけのカップルは価値観が違いすぎる。けれど、そこが笑いの渦を呼ぶ。本当に気持ちがスッキリするドラマだ。
●ランキング3位/『ストーブリーグ』(2019-2020年/SBS)
野球の話が題材になっているが、野球という競技を知らなくても何の心配もない。このドラマの本質は停滞した組織を変えようとする人生ドラマであり、登場するキャラがみんな身近にいて親近感がある。それゆえ、ストーリーの随所で共感度が高まるし、最後まで安心して見ていられる。
ストーリーのツボは低迷する野球チーム「ドリームズ」の再生物語。ナムグン・ミンが演じるゼネラル・マネージャー(GM) のペク・スンスが本当に魅力的な人物で好感度が高い。共演するパク・ウンビンの情感豊かな演技も印象的だ。
●ランキング2位/『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』(2020-2021年/tvN)
抱腹絶倒のラブコメ時代劇だ。ドラマの始まりから設定が面白い。大統領官邸の天才シェフが罠にはまって刑事に追跡されるが、途上でプールに落ちて瞬間的に朝鮮王朝時代の王宮にタイムスリップ。そのままシェフの魂は哲仁王后のからだに入り込んでしまった。
こうして高貴な王妃が粗暴な男性の言動に様変わりして、周囲を巻き込む大騒動に発展していく。
感心するのはヒロインを演じたシン・ヘソンの役者ぶり。ドラマをとことん面白くしてくれるサービス精神は天才的なレベルだ。同時に、国王を演じているキム・ジョンヒョンの真面目すぎるリアクションも笑える。会話がなくなってきた夫婦にこそぜひ見てほしい。
●ランキング1位/『愛の不時着』(2019-2020年/tvN)
「韓国ドラマを勧める際の象徴的な作品は?」と尋ねられたら、一番多くの人が真っ先に取り上げるのが『愛の不時着』であるに違いない。それほど無敵のドラマだ。
しかも、主役のヒョンビンとソン・イェジンは素敵なラブストーリーを演じたあとに、実生活でも結婚して幸せな日々を過ごしている。ドラマとプライベートが完全一致しただけに、夫婦がそろって視聴するうえで、これほど最適な作品はない。
もし可能ならば、このドラマを見た夫婦がスイスのロケ地を一緒に訪ねられれば最高だ。そんな夢を持ち続けるかぎり、夫婦の絆がいっそう深まるだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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