テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『イ・サン』では、8月17日の第67話で、ついに洪国栄(ホン・グギョン/ハン・サンジンが演じている)に処罰が下されることになった。
【本当は怖い⁉】名君イ・サンのゾッとするような「裏の顔」とは?
洪国栄は絶望的な表情を浮かべている。当然ながら極刑を覚悟しているのだ。イ・サン(イ・ソジン)は、横にいた領議政(ヨンイジョン/総理大臣に該当する)のチャン・テウ(イ・ジェヨン)に命令書を読むように促す。しかし、領議政は一気に顔色を変えていた。
「これは一体……」
明らかに領議政は不満そうな表情だった。イ・サンが「早く読め」と催促しても彼は「読めません。この処分には納得できません」と断固として拒否した。すると、イ・サンは「ならば余がしよう」と命令書を持って読み始めた。そのうえで、イ・サンは「洪国栄はすべての職を罷免して江陵(カンヌン)に流罪とする」と落ち着いて述べた。
イ・サンの言葉を聞いて、洪国栄は驚愕した。完全に処刑されると思っていたからだ。
この場面になっても、絶対に納得できなかったのがチャン・テウだった。彼は洪国栄に対して大きな怨みを持っていた。図に乗った洪国栄から数々の屈辱を受けていたからだ。それゆえ、今度こそ、その怨みを晴らせると信じていた。しかし、イ・サンが温情すぎる裁決を下した。チャン・テウが苦虫をかみつぶしていたのも当然だった。
その後の御前会議でもチャン・テウは「あってはならないことです。お考え直してください、」と、イ・サンに対して異議を申し立てた。他の重臣たちもみんなが追随した。
本来なら、反対論が沸騰してイ・サンも窮地に立たされるところだった。しかし、イ・サンは毅然としていた。彼はどんな抗議もいっさい受け付けなかったのだ。
結局は、温情によって洪国栄を生かしたことが、イ・サンなりの優しさであった。彼はせめて命を救うことで、側近として長く仕えてくれた洪国栄の苦労に報いたのである。このように、イ・サンは情が厚い国王であった。
文=大地 康
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