テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『イ・サン』は、終盤になってますます面白くなっているが、特にハラハラするような展開を迎えているのは、チ・ソンウォンが演じている元嬪(ウォンビン)に関する疑惑だ。
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元嬪というのは大変な実力者になった洪国栄(ホン・グギョン)の妹であり、彼が王宮に送り込んできたイ・サン(イ・ソジン)の側室だ。彼女の究極の目的は、イ・サンの子供を宿すことだった。
それゆえ、当初妊娠の兆候があったときにイ・サンや恵慶宮(ヘギョングン)は「後継ぎができたか」と期待したのだが、実はそれは想像妊娠であった。実際に子供を宿してはいなかったのだ。
しかし、洪国栄と元嬪はこの事実を隠し通そうとした。主治医まで巻き込んで嘘を重ねたのである。とはいえ、実際に妊娠していないので、結局は隠し通すことはできない。そこで、洪国栄と元嬪は、儀式の最中に急に元嬪が流産をしたという仕掛けをした。
そればかりではない。流産の原因は、孝懿(ヒョイ)王后が渡してきた薬剤にあるという嘘をついた。しかも主治医が嘘に加担する報告をして、イ・サンを困惑させた。
イ・サンとしては孝懿王后の性格をよく知っているので、そんなことは絶対にありえない、と妻を信じ切っていた。けれど、恵慶宮は元嬪が流産した理由を徹底解明しなければならないと主張して、結局は孝懿王后の立場が悪くなっていった。
このように、洪国栄と元嬪が想像妊娠を隠そうとしたことが王宮を大混乱にさせていた。
それにしても、洪国栄はイ・サンが即位するまでは忠臣として誠実な行動を取っていたのだが、イ・サンが国王になって自分が絶大な権力を握るようになると、人間が変わったように傲慢になっていった。その挙句が今回の妊娠騒動であった。
演じているハン・サンジンも目つきが全く変わってしまった。欲望をギラギラさせるような卑しい人間になっていたのだ。
果たして、洪国栄と元嬪の陰謀はどのような結末を迎えるのだろうか。
文=大地 康
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