傑作時代劇『イ・サン』は後半に入ると、イ・ソジンが演じるイ・サンが国王に就任して名君としての道を歩み始める。この時にはイ・サンの新たな政敵もどんどん登場してくる。その中で最初にイ・サンに歯向かったのが老論派の重鎮であったチャン・テウだ。
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彼は、イ・サンが新しい人材を次々に登用しようとしたことに大反対した。それは、老論派の官職が明らかに激減するからであった。それゆえ、イ・サンが新たに科挙を実施して各地の優秀な人材を官職につけようとした時に猛反対して、科挙を潰す動きを見せた。チャン・テウとしても必死だった。
イ・サンは従来の伝統的な官僚制度を踏襲しないで、むしろ新しい政治改革を目指していた。もちろん、老論派を代表するチャン・テウは絶対に容認できなかった。
こうして、即位したばかりのイ・サンをめぐって国王と官僚の新たな対決が始まり、その矢面に立ったのがチャン・テウであった。
この人物を演じたイ・ジェヨンは、韓国時代劇でもおなじみの名優だ。数々の時代劇で癖のある高官を演じることが多く、彼が登場するとドラマに緊張感がみなぎる。本当に、恐ろしいほどの存在感を持った個性派俳優なのである。
そんなイ・ジェヨンは『イ・サン』の他にも、多くの名作時代劇に出演しているが、その中から『華政(ファジョン)』『テバク~運命の瞬間(とき)~』『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』を紹介しよう。
イ・ジェヨンは、イ・ヨニ主演の『華政』では清西派の領袖キム・サンホンを演じ、チャン・グンソク主演の『テバク~運命の瞬間(とき)~』では老論派の官僚キム・チャンジプに扮し、チョン・イル主演の『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』では、シン・ヒョンス扮するイ・デヨプの父親イ・イチョムを演じていた。
時代劇での演技も見事だが、現代劇でも注目を集めているイ・ジェヨン。彼は常にすばらしい演技で視聴者を楽しませてくれる魅力的な俳優だ。
文=大地 康
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