12月に日本で公開された映画『ハッピーニューイヤー』。年末の高級ホテルを舞台に様々な出会いを期待している人たちの「ささやかな奇跡」を描いた作品で、とても幸せな気分にひたれる映画だった。
【関連】『イ・サン』主演ハン・ジミン、オーストラリアとの“特別な縁”とは？
オールキャストと言えるほど豪華な出演陣が話題になっていたが、中心的に登場したのがハン・ジミンであった。彼女はホテルの有能なマネージャーに扮していて、長く付き合っているボーイフレンドからのプロポーズを待っているという役だった。
映画を見ていて、ハン・ジミンは本当に叙情性がある女優だと思う。感情の細やかな動きをセンス良く演じてくれる。それゆえ、見ている人も彼女の情感あふれる演技に心地よさを感じるのだろう。
そんな彼女は、注目を集めた『私たちのブルース』でも、多彩な演技を披露していた。オムニバス形式でたくさんの有名俳優が出演したこのドラマで、ハン・ジミンが演じたのはイ・ヨンオクという謎めいた女性だった。
彼女は本土から済州島(チェジュド)にやってきて新人の海女になった。さらに、居酒屋を開いてママも務めている。しかし、どういう経歴の女性であるかはわからない。そんな彼女に惚れたのが、キム・ウビンの演じる船長のパク・ジョンジュンであった。
2人は少しずつ付き合うようになるのだが、イ・ヨンオクは大事な話を絶対にパク・ジョンジュンにしない。それはなぜなのか。
それは、ドラマが進むにつれてイ・ヨンオクの家族の問題だとわかってくるのだが、誰にも打ち明けられない苦しさを表現するときのハン・ジミンは哀しさをゆっくりと表わしていた。また、海女として個人行動を非難されて仲間から疎外されていくイ・ヨンオクのもどかしさをハン・ジミンは切ない演技で見せていた。
『私たちのブルース』は演技が巧みな本格派の俳優がたくさん出ていたが、その中でもハン・ジミンの存在感は際立っていた。
2022年、活躍が目立った俳優を思い浮かべたとき、ハン・ジミンはすぐに名前が出るほど印象が強かった。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
前へ
次へ
.jpg)
