初放送から12年が経過している『トンイ』は、いまだに高い人気を誇っている。主演したハン・ヒョジュも、主演作がこれほど視聴者に愛されるとは、撮影当時は想像もできなかったことだろう。
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そもそも、ハン・ヒョジュはなぜ主役に抜擢されたのだろうか。
当時のことをハン・ヒョジュはこう語っている。
「イ・ビョンフン監督は韓国時代劇の歴史を作ってきた偉大な方です」
「私の他の作品を見てくださり、前向きでポジティブな部分がトンイのキャラクターと相性がいいということで、キャスティングされたと思います」
ここで言う「他の作品」というのは、『華麗なる遺産』に違いない。この作品は最高視聴率が47%を越えた国民的ドラマだった。その中で前向きに生きる主人公を演じたハン・ヒョジュに魅力を感じたイ・ビョンフン監督は、新しく準備した時代劇に彼女を果敢に指名したのである。
大変な名誉であったが、同時に大きな重圧を感じた。ハン・ヒョジュは「時代劇の巨匠」に応えようと思い、すぐに主人公について徹底的に研究しようとした。
その主人公は、歴史的に淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)と呼ばれる「粛宗(スクチョン)の側室」だった。トンイというのはドラマ用に新たに作られた名前なのである。
しかし、ハン・ヒョジュがどんなに熱心に淑嬪・崔氏について調べても、ほとんど歴史的な史料が出てこなかった。当時は、それほど淑嬪・崔氏も韓国で知られていなかった。この女性が韓国で広く認知されるようになったのは、『トンイ』以後のことなのである。
ハン・ヒョジュも困り果ててしまった。仕方がなく、淑嬪・崔氏の歴史的な足跡を調べることをあきらめて、イ・ビョンフン監督の指示を最大限に生かすことに目標を切り替えた。
それは、ハン・ヒョジュに恵みをもたらした。時代劇に必要な所作を身に着けることができて、女優として『トンイ』は多くの経験をハン・ヒョジュにもたらしてくれた。この経験は本当に大きかった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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