時代劇『風と雲と雨』はクライマックスに向けて、パク・シフが演じるチェ・チョンジュンと、チョン・グァンリョルが扮する興宣大院君(フンソンデウォングン)の争いが激化していく。緊迫した場面が続くが、そんな対立に決定的な影響力を及ぼす2人の女性がいる。
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1人はパク・ジョンヨンが演じる王妃だ。彼女は聡明で強い意志を持っていた。しかし、興宣大院君は王妃の才能を認めず、常に見下すような態度を取り続けた。
それは、王妃にとって我慢できない屈辱だった。そのために、彼女は義父の興宣大院君に強い嫌悪感を示すようになった。
そんな王妃に「うまく立ち回るべきです」と忠告していたのが、コ・ソンヒが演じていた翁主(オンジュ/国王の正室以外から生まれた王女)であった。
彼女は、人の運命を予知する特殊な才能を持っていた。それゆえ、政権を掌握する人々によって政治的に利用されてきたのだが、彼女はチェ・チョンジュンを支えるためには王妃の力が不可欠だと考えて、2人の協調を強化しようと努力していた。
こうして強力な同志関係が結ばれそうな展開になっていった。それは、興宣大院君にとって大きな脅威であるのだが、傲慢な彼はそのことにまだ気づかなかった。彼はチェ・チョンジュンばかり警戒し、「2人の女性の最強のつながり」を見通すことができなかったのだ。
それは、史実ではどのようになっていただろうか。
『風と雲と雨』に登場する翁主は架空の女性なのだが、王妃は実在の明成(ミョンソン)皇后だ。実際、歴史的にも明成皇后は政治的な動きを好む女性であり、1873年に興宣大院君を失脚させることに成功する。
こうした史実がわかった上で改めて『風と雲と雨』を見ると、王妃の存在感の重さをしっかりと受け止めることができるようになる。
ドラマでは、終盤になって王妃と翁主の2人が興宣大院君の強力なライバルになっていく。特に、翁主が「凄い運命を持った女性だ」として一目置いている王妃の動向が、大いに注目されるようになる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【写真】パク・シフとコ・ソンヒが『風と雲と雨』の演技で残したもの!
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