テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『愛はビューティフル、人生はワンダフル』は、全65話となっている。これほど長いドラマは日本にない。1年間にわたって放送されるNHKの大河ドラマもせいぜい全50話くらいだ。
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しかし、韓国では全65話は普通にある。今でこそ全16話のドラマが多くなってきたが、それはあえてミニシリーズと言われている。つまり、連続ドラマとしては「ミニ」なのである。それだけ、日本から見て話数が多いドラマが多いということだ。
なぜ、これほど長いストーリーを作れるのか。
一つは主人公2人だけのストーリーに限定させないからだ。かならず2人のそれぞれの家族を徹底的に巻き込んでいく。つまり、一つのドラマの中に二つの家族を多面的に織り込むのが韓国ドラマの基本パターンなのである。
『愛はビューティフル、人生はワンダフル』もそういう意味で典型的な韓国ドラマだ。
主人公は、ソル・イナが演じているヒロインのキム・チョンアと、キム・ジェヨンが扮するジュンフィだ。
そして、伏線となっていた過去の出来事が次々に明らかになっていき、主要な登場人物の人間関係がさらに複雑な様相を呈していく。
そんな中で、特に重要な局面になってきたのが、ジュンフィの母親ユラ(ナ・ヨンヒ)が主人公2人の付き合いを徹底的に拒絶していくところだ。
ここで「韓ドラあるある」が顕著になってくる。要するに、韓国ドラマでの必須パターンが、ヒロインの彼氏の母親が2人の交際を徹底的に反対するというものなのだ。
この場合の反対には、様々な理由がある。
一つは、男性主人公は財閥企業の御曹司の場合が多く、気高い母親がヒロインの家庭の事情(たとえば経済問題とか)を問題にして反対するというもの。しかし、それだけでは長いドラマを作れない。
さらに必要なのが、男性主人公の母親がヒロインの家族と過去に悲劇的な出来事に遭っていたこと。これが2人の交際に反対する理由になると強烈だ。こうなると、問題が複雑になるばかりだが、視聴者の関心も高くなってくる。
『愛はビューティフル、人生はワンダフル』の場合は、ユラの息子(ジュンフィの弟)が亡くなった出来事にチョンアが関係していたことが、ユラがチョンアを拒絶する決定的な理由になっていた。
後半を迎えた『愛はビューティフル、人生はワンダフル』の今後の展開がとても気になる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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