NHKのBSプレミアムで毎週日曜日に放送されている『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』がとても面白い。
韓国時代劇というと朝鮮王朝を舞台にした宮廷劇が非常に多いが、古代が舞台になったドラマには宮廷劇とひとあじ違った壮大なスケールがある。それだけ、古代には歴史ロマンがある、ということなのだ。
そんな古代が舞台の人気時代劇といえば、最近では『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』も話題を集めていたが、それ以上に長く不動の人気を獲得しているのが『善徳女王』である。
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このドラマは、三国時代に朝鮮半島の南東部を支配した新羅(シルラ)が舞台になっていて、7世紀前半に統治者となった善徳(ソンドク)女王が物語の中心だ。
主役となったのはイ・ヨウォンで、彼女は主人公トンマンを凛々しく力強く演じた。特に、恐ろしいほどの力を持つミシルと激しく対決していくところが見ものだった。そのミシルに扮したコ・ヒョンジョンの妖艶でアクの強い演技は大評判になっている。
また、ドラマの後半では、キム・ナムギルが演じたピダムと女王になったトンマンとの壮絶な悲恋もしっかり描かれていた。
とにかく、『善徳女王』というドラマには、古代だからこそ縦横に描くことができた壮大なエピソードがたくさん盛り込まれていた。それゆえ、歴史が好きな人たちが喝采をあげて『善徳女王』を高く評価したのである。
登場人物の設定もとてもよかった。特に、歴史に輝かしい名を残す善徳女王を華々しく主人公にしたのが第一の成功要因だった。
なにしろ、長い朝鮮半島の歴史でも女王が即位したのは3人だけだ。それはみんな新羅なのだが、最初に誕生した善徳女王は一番インパクトが強かった。しかも、彼女は有能で意志が強く、最終的に新羅が朝鮮半島を統一していくうえで先駆者になった。それほど「偉大な王」であった。
『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』で古代のロマンを感じたら、同じく古代時代劇の傑作である『善徳女王』もぜひ見てみよう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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