テレビ東京の韓流プレミアで放送された『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』を見ていると、主役のチャン・ドンユンの獅子奮迅の活躍が本当に目立っていた。彼は主役として、ラブコメからシリアスな歴史劇まで縦横無尽に演じきった。
最初に度肝を抜かれたのは、女装して弱い女人のふりをする姿だった。なにしろ、男であることがバレると命が危なかった。それゆえ、必死になって男であることを隠そうとした。愉快だったのが、みんなで沐浴をするところだ。服を脱いでしまったら一巻の終わりなので、彼はなんだかんだ理由をつけて逃げ回ろうとしていた。その様子がコミカルで本当に愉快だった。
しかし、『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』は、ずっとラブコメに徹するわけにはいかなかった。チャン・ドンユンが演じるノクドゥにしても、キム・ソヒョンが扮するドンジュにしても、生い立ちをめぐって多くの秘密を抱えており、その一つひとつが辛辣に明らかになってきたからだ。
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特に、優雅な若様に扮していたユルムが実は、光海君(クァンヘグン)から王座を奪い取ろうとする綾陽君(ヌンヤングン)であることがわかってきた。彼は狡猾な手口で様々な悪事をたくらんでいたのだ。
こうなると、ノクドゥもドンジュを守るために綾陽君と一世一代の対決に挑まなければならない。
実は国王の息子であることが明らかになったノクドゥは、ドラマの終盤になると、産みの母親である王妃と親子の絆を深めたが、実の父親の光海君とは誤解が積み重なっていった。
そんな状況の中で、ノクドゥは最後まで自分の信念に生きて、ドンジュとの愛を必死に支えていた。その際にチャン・ドンユンが見せた「魂の演技」は見事だった。
前半の女装も彼の演技力の幅広さを証明するものだったが、後半はキレのあるアクションを見せ、複雑な感情表現も巧みにこなした。
こうしてチャン・ドンユンは七変化のような力強さでノクドゥを演じきって、ドラマを印象深く締めくくってくれた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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