NHKの総合テレビで毎週日曜日に放送されていた『ヘチ 王座への道』は、8月29日の放送で最終回が終わった。チョン・イルが演じた英祖(ヨンジョ)は、名君への道を歩み始めてクライマックスとなった。
その後の英祖はどうなったのか、と気になる人も多いだろう。
なにしろ、英祖は27人いる国王の中で一番長寿だったので、在位期間も一番長かった。『ヘチ 王座への道』は若き日の英祖を描いているが、その後の国王人生は延々と続いたのである。そんな彼の後半生を描いた作品を紹介しよう。
英祖のその後はどうだったのか?
一番有名なのは『イ・サン』だ。イ・ソジンが主演したこの傑作時代劇で、英祖を演じたのが重鎮俳優のイ・スンジェだった。そして、ドラマの冒頭に出てきたのは、英祖が息子の思悼世子(サドセジャ)を米びつに閉じ込めて餓死させてしまう事件だった。
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以来、『イ・サン』では英祖が思悼世子の息子だった正祖(チョンジョ)をいかに立派に指導していくかが描かれていた。そういう意味で『イ・サン』というドラマの前半は、晩年の英祖の生きざまをしっかり見せていた。イ・スンジェの演技も重みがあってさすがであった。
一方、英祖と思悼世子の確執をスリリングに扱っていたのが『秘密の扉』だった。このドラマで英祖を演じたのは、大物俳優のハン・ソッキュだ。彼の細かい性格描写は本当に見応えがあった。
さらに、『秘密の扉』では、激しい派閥闘争や思悼世子と妻の不仲が描写されていて、英祖を取り巻く不穏な空気がドラマに緊張感を与えていた。それはまさに『ヘチ 王座への道』で颯爽としていた英祖が、年齢を重ねてどんなふうに変わっていったかを明らかにしていた。
三つ目に紹介したい作品は、映画『王の運命 -歴史を変えた八日間-』である。
この作品でも英祖と思悼世子との激しい葛藤が描かれていて、ソン・ガンホが英祖を演じ、ユ・アインが思悼世子に扮していた。そして、全体的には名君の息子を思う心情が細かく描かれていた。
このように、イ・スンジェ、ハン・ソッキュ、ソン・ガンホという韓国俳優界の象徴的な名優たちが、晩年の英祖を見事に演じていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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