ドラマ『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』は、静かな感動がジワリと広がってくるドラマだった。
主役は2人で、70歳になってあこがれのバレエを始める老人を演じたのが超ベテラン俳優のパク・イナンで、そんな老人に嫌々バレエを教える羽目になった23歳の若者に扮したのがソン・ガンだった。
特に、ソン・ガンが演じたイ・チェロクの役は、感情の起伏が激しかった。サッカーの指導者だった父親とも多くの葛藤を抱えていたし、自分自身も高校卒業後にバレエダンサーの道を歩み始めるが、すばらしい才能を持ちながら練習に打ち込めない環境の中で苦しんでいた。
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そうした閉塞感の中で70歳の初心者にバレエを教えるのは苦行以外のなにものでもなかったが、あまりに熱心に打ち込む姿に自分もどんどん影響されて、チェロクは徐々に新しい価値観を身に着けていった。
そういう変遷を経ていくチェロクという青年をソン・ガンは瑞々しく演じて大いに評価を高めた。本当に可能性を感じさせてくれる若手俳優だ。
彼は、人気俳優のレオナルド・ディカプリオに憧れて俳優を志したという。
そんなソン・ガンは俳優として格別の素材を持っている。
たとえば、187センチの長身。それは『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』にも生かされていた。彼がバレエを舞うときの身体の美しくダイナミックな動きは、まさに天性の素質を強く感じさせたものだった。
もともと、ソン・ガンは2017年のドラマ『カノジョは嘘を愛しすぎてる』で颯爽とデビューを果たした。
その後も次々に出演作が決まったが、特に『Sweet Home~俺と世界の絶望~』で注目されて人気俳優となった。そして、『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』を経て、現在は『わかっていても』に出演して好評を博している。
そして、来年にはパク・ミニョンとの共演も決まっている。
前途洋々たるソン・ガンが演じてくれるキャラクターには本当に興味をそそられる。若手俳優の中でもスペシャルな有望株と言える。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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