“国民の妹”とされた人気女優が時代劇で見せた「情念」とは?

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ムン・グニョンが天才子役としての評判を決定的にしたのが、2000年のドラマ『秋の童話』だった。

このドラマはユン・ソクホ監督の四季シリーズの最初の作品としてあまりに有名だが、ムン・グニョンは子役とは思えないような哀愁の表現力を見せて、「国民の妹」と呼ばれた。こうして、早くも演技力を絶賛されたのだ。

彼女以前の子役には韓国芸能界で「子役は大成できない」というジンクスがあったが、ムン・グニョン以降にはその言葉も使われなくなった。そういう意味で、前例を打ち破る力を見せたのがムン・グニョンだった。

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以後の彼女は着実に成長し、大人の女優としても抜群の成長力を見せた。

たとえば、『メリは外泊中』ではチャン・グンソクと絶妙な間合いで主役を演じ、愛らしい笑顔が大評判になった。

そんなムン・グニョンが特に輝いたジャンルが時代劇だと言えるだろう。特筆されるドラマは『風の絵師』と『火の神ジョンイ』である。

ムン・グニョン

説得力がある演技

2008年の『風の絵師』でムン・グニョンは、朝鮮王朝の宮廷画家であるシン・ユンボクを男装しながら演じた。

その中性的な魅力はドラマを大いに盛り上げ、絵画が完成していく過程と共に人気を博した。師匠のホンドに扮した名優パク・シニャンと互角に渡り合った演技力も本当に見事であった。

こうして大人の女優として時代劇を大成功させたムン・グニョンは、さらに2013年の『火の神ジョンイ』で大いに飛躍した。

ムン・グニョンが演じたのは、朝鮮王朝随一の女性陶工師となるユ・ジョンという人物だった。

巧みに技術を会得していく過程をムン・グニョンは説得力がある演技でドラマチックに再現していたし、無実の罪で死んだ父の無念を晴らしていく展開にも彼女は深みをもたらしていた。

根っから明るい表情が魅力的なムン・グニョンだが、時代劇では本当に多彩な表現力で一途に才能を伸ばす女性を、情念を交えて演じきっていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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