キム・ヨジンは時代劇でとても印象的なキャラクターを演じることが多い。
たとえば、『宮廷女官 チャングムの誓い』では、イ・ヨンエの演じたチャングムが医術を覚えるうえで、その師匠になっていた。
さらに、キム・ヨジンが強烈な存在感を示したのが『イ・サン』だった。このドラマでキム・ヨジンは、21代王・英祖(ヨンジョ)の二番目の正妻だった貞純王后(チョンスンワンフ)に扮していた。
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これは本当に重要な役だった。なぜなら、貞純王后はイ・サンの最大のライバルであり、一番のカタキ役であったからだ。要するに、イ・サンの正しい行ないを強調するうえで、悪役の貞純王后は格好の相手だったのだ。それだけに、演技力に優れた俳優が配役されたのだが、それがキム・ヨジンだった。
案の定、彼女は毒々しい雰囲気を漂わせながら、王妃としての気品も同時に示し、アクの強い演技を見せた。まさに、キム・ヨジンは貞純王后の役に最適であった。
さらに、キム・ヨジンの活躍は続いていく。
『華政』に出演したときは金介屎(キム・ゲシ)として出演した。この金介屎は、15代王・光海君(クァンヘグン)を陰で支えた女官であり、汚れ役を一手に引き受けた女性だった。とにかく、どのドラマを見ても、キム・ヨジンが出てくると、何か不気味な雰囲気がするから不思議だ。特に『華政』の金介屎の役は本当に強烈で、そこにいるだけで他を圧倒するような強いイメージを持っていた。
そんなキム・ヨジンは時代劇だけでなく、現代劇でも評判がとてもいい。そして、2020年はパク・ソジュンが主演した『梨泰院クラス』にも出演していた。キム・ダミが演じたヒロインのチョ・イソの母親に扮していたのである。ここでも、やはり娘と対立する強い母親を演じていて、さすがの貫禄を見せていた。
時代劇でも現代劇でも、キム・ヨジンの女優としての個性はすばらしい。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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