EXOのD.O.（ディオ）は、ドラマや映画などで活躍するときはド・ギョンスと呼ばれる。多彩な才能を持っているので音楽でも演技でも高い評価を得ているが、『100日の郎君様』はそんなド・ギョンスの真骨頂となった作品であった。
とにかく、ド・ギョンスの演技は見応えがあった。
ドラマの前半では、ド・ギョンスは不機嫌な世子（セジャ）であったイ・ユルを演じた。それほどまでに不機嫌だったのは、初恋の人を失った悲劇で心を閉ざしていたからだ。それでいて頭脳明晰な言動が際立っていた。
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このように優秀な世子を不機嫌に演じるというのはとても難しいものなのだが、ド・ギョンスは徹底的にイ・ユルになりきって周囲を圧倒していた。
しかし、イ・ユルは暗殺されそうになり、村人のウォンドゥクに姿を変える。その際に記憶喪失になってしまった。
ウォンドゥクを演じるときのド・ギョンスは、終始とぼけたような表情を見せていた。もともと世子なので働くことも知らない。何をやっても失敗ばかりで、それをごまかすためにとぼけていた。
そんなド・ギョンスの意表を突くような演技が楽しかった。漫才で言えば、ボケのような演技を終始続けていた。最初の不機嫌な世子とはあまりに違ったので、その対比が愉快であった。
しかし、ウォンドゥクは「かりそめの夫婦」となったホンシム（ナム・ジヒョンが演じた）に徐々に愛情を示すようになった。そのとき、ド・ギョンスはロマンスの香りが漂う演技でしっとりとした余韻を残した。
後半になると、ウォンドゥクが王宮に帰り記憶が徐々に戻ってくる。それと同時に悪徳高官のキム・チャオンと壮絶に対決しなければならなかった。
まさにヤマ場であり、ド・ギョンスの演技も緊迫感の連続だった。その中で、凛々しい世子としてドラマとピリリと引き締めていた。
このように、ド・ギョンスはストーリーの展開につれて七変化の演技を見せた。
やはり、彼が主役だったから『100日の郎君様』は最後までこんなにも面白かったのだ。
文＝康 熙奉(カン・ヒボン)
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