『100日の郎君様』を彩る主役のド・ギョンスとナム・ジヒョン。2人はそれぞれ2つの役名を演じていた。
ド・ギョンスの場合は、最初が世子(セジャ)のイ・ユルであり、それから村人のウォンドゥクになった。
ナム・ジヒョンは、当初は高官の娘のユン・イソだったが、行方不明になった後は村人のホンシムに名前を変えた。
こうして、ウォンドゥクとホンシムがかりそめの夫婦となっていくわけだが、『100日の郎君様』では2人の愛情あふれるシーンが随所にあって、ドラマの名場面になっていた。そういうシーンをここで再現してみよう。
第7話では、ホンシムがならず者たちに襲われてしまい、ウォンドゥクが果敢に助けに行った。
それまでウォンドゥクはダメ亭主として不甲斐ない場面を見せていただけに、ホンシムはかっこいいウォンドゥクを大いに見直したことだろう。このときに、2人の間に確実に愛の芽生えがあった。
第8話では、ウォンドゥクとホンシムが麦畑で幸せな時間を過ごした。
このとき、ウォンドゥクはホンシムの履物をわざと放り投げ、その代わりに梅の花の刺繍が付いた履物をホンシムにプレゼントした。ツンデレで不器用なウォンドゥクだが、ホンシムを大事に思う気持ちが十分に伝わった。
【関連】『100日の郎君様』を昇華させたド・ギョンスの「3つの表現」とは?
第10話では、都に行ったウォンドゥクが何も思い出せないと落胆する場面があった。
しかし、ウォンドゥクはホンシムと一緒に生きていこうと心に決め、彼女を抱きしめる。このときのウォンドゥクには愛する人を守り抜くという強い覚悟が備わっていた。
第14話では、ついにウォンドゥクがイ・ユルに戻り、初恋の少女であったユン・イソのことを思い出した。
つまり、ホンシムこそがユン・イソだと悟ったのだ。そして、2人は思い出の橋で再会して、お互いの気持ちを確認しあった。
こうして、子供のときに離れ離れになったイ・ユルとユン・イソは、お互いの原点を取り戻したのだった。
いよいよ、クライマックスに向けて、イ・ユルとユン・イソに最高の展開がめぐってくるはずだ。残り少ない『100日の郎君様』だが、ますます面白くなってきた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
前へ
次へ