朝鮮王朝を舞台にしてヴァンパイアが主人公として描かれるファンタジー時代劇が『夜を歩く士<ソンビ>』だ。このヴァンパイアのキム・ソンヨル役を演じたのが、日本でも人気のイ・ジュンギだ。
ドラマはどんなストーリーだったのか。
美しい士(ソンビ)のキム・ソンヨルは、なんと、人間の血を吸って生きるヴァンパイアなのである。実は、120年前には人間だったソンヨルは、王宮に住むヴァンパイアのクィと出会ってしまう。
このクィは、王の上に君臨して朝鮮王朝を意のままに操った。そして、自分に従わない者は無残に殺害した。
ソンヨルは、残虐なクィに立ち向かうが、結局は命を落としてしまう。
しかし、人間として生きる方法を必死にさぐった結果、ヴァンパイアとして生まれ変わることになった。
こうして、人間の本能を残したままヴァンパイアとして蘇ったソンヨルは、クィに壮絶な戦いを挑んでいく。
そのキム・ソンヨルの協力者でありながら恋敵になってしまうのがイ・ユン役であり、チャンミン(東方神起)が演じている。なお、イ・ユンは世孫(セソン)になっているので、国王の正式な後継者となっている孫であった。
チャンミンは不思議な設定のファンタジー時代劇で柔らかい感性の演技を披露して、彼の多芸な面を存分に見せてくれた。
この『夜を歩く士<ソンビ>』の後にチャンミンは兵役に入ることになった。それは、2015年のことだった。
チャンミンは『夜を歩く士<ソンビ>』の初放送にあたる2015年7月8日の前日に、兵務庁(韓国の兵役を管理する役所)の検査に行き、11月に兵役に入ることを発表した。
そして、『夜を歩く士<ソンビ>』の撮影とプロモーションを精力的にこなし、11月5日には横浜アリーナで開催されたファンミーティングに颯爽と登場して、日本のファンを前に入隊前の最後の挨拶をした。
このように、『夜を歩く士<ソンビ>』はチャンミンの兵役前の最後の作品として、とても印象深いものだった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
前へ
次へ