真夏の暑さを吹き飛ばすような爽快なロマンティックコメディの風が、お茶の間を席巻している。立て続けに登場した清涼感あふれるロマンティックコメディ作品のおかげで、暑さも和らぎ、視聴者たちの恋愛細胞もむずむずと動き出している。
【写真】少女時代ユナが大ピンチ…『暴君のシェフ』のナゾと怪しい人たちこの熱風の始まりは、Genie TVオリジナルドラマ『かけがえのない私のスター』(U-NEXTで独占配信)である。
韓国ENAで放送中のドラマで、主演のオム・ジョンファとソン・スンホンのケミストリーが大きな話題を呼んでいる。
週の始まりをロマンティックコメディで彩るのが『かけがえのない私のスター』なら、その締めくくりを飾るのは、韓国tvNドラマ『暴君のシェフ』である。
視聴率の上昇、話題性1位まで
『かけがえのない私のスター』は爆発的な上昇気流に乗っている。第6話では全国3.8%、首都圏3.4%(ニールセンコリア有料世帯基準)を記録し、自身の最高視聴率を更新した。
口コミで人気が広がり、月火ドラマの最強作として地位を確立した本作では、オム・ジョンファとソン・スンホンのロマンティックコメディ・ケミストリーが眩しく輝いている。
オム・ジョンファは、かつてのトップスターから25年分の記憶を失った状態で目覚めた平凡な中年女性ポン・チョンジャを演じ、視聴者を笑わせ、そして泣かせるリアルな共感演技を披露している。
一方、『暴君のシェフ』はさらに爆発的なヒット神話を築いている。
第1話の視聴率5.1%から始まり、第4話では11.1%へと着実に上昇し、2025年韓国tvNドラマの視聴率1位に躍り出た。話題性においても『暴君のシェフ』は圧倒的である。
Kコンテンツ競争力の専門分析機関“グッドデータコーポレーション・ファンデックス”によれば、8月第3週のTV総合出演者話題性部門でイム・ユナが1位、イ・チェミンが2位を占め、同時に『暴君のシェフ』自体もTV-OTTドラマ話題性部門で1位を獲得した。
記憶喪失 vs タイムスリップ、ありふれた題材を新鮮に
2つのドラマはいずれもロマンティックコメディでおなじみの題材を用いながらも、独創的な解釈によって差別化に成功した。
記憶喪失やタイムスリップはこれまで幾度となく繰り返されてきた設定であり、下手をすると「また同じような話か」という視聴者の倦怠感を招きかねない。
しかし、両作ともその懸念を打ち消すように軽快でユーモラスなトーンを選び、深刻さに陥らない物語展開で視聴者を引き込んでいる。
特筆すべきは、主人公たちが置かれた極限状況を悲劇的に描かず、むしろコメディとして昇華させている点である。25年分の記憶を失うことも、500年前に飛ばされることも、本来ならば重く絶望的になり得る。
しかし、この2つのドラマはその状況を笑いとときめきの源泉へと変貌させた。
『かけがえのない私のスター』は「涙も鼻水も吹き飛ばす、時間があっという間に過ぎるロマンティックコメディ」というキャッチコピーどおり、25年の記憶を失った状況を深刻に描かず軽妙に扱う。
主演のオム・ジョンファは笑いと涙を行き来する“甘辛キャラクター”を演じ、コミカルさと切なさを絶妙にブレンドしながら、ユーモラスで親しみやすい現実感を同時に届けている。
一方『暴君のシェフ』は、“サバイバル・ファンタジー・ロコ”というジャンル的特徴を前面に出し、緊張感とユーモアを見事に両立させている。
主演のイム・ユナは「セリフ回しや演技のトーンも堂々として明るく、現代的な雰囲気を崩さないようにした」と語り、タイムスリップという非日常的状況の中でも現代的な感覚を失わないキャラクターを体現した。
きっぱりとした口調と小気味よい演技によって、極限状態でも生き生きとした存在感を放っている。
年上女性×年下男性カップルの新鮮なケミストリー
両ドラマともに、年上女性と年下男性の組み合わせで新鮮なケミを届けている。
『かけがえのない私のスター』は、オム・ジョンファとソン・スンホンの出会いによって同年代に近い大人のロマンスを描くが、劇中では“25年の時を飛び越えた”という設定が独特の感情の流れを生み出している。
特にオム・ジョンファとソン・スンホンによる年上女性×年下男性の中年ロマンティックコメディのケミに、視聴者からは「中年の恋のときめきがいい」「まさにロコそのもの」「独孤鉄の25年純愛みたいだ」「年下男子ソン・スンホンが可愛い」といった肯定的な反応が相次ぎ、オンライン上で話題を集めている。
一方、『暴君のシェフ』はさらに挑戦的である。1990年生まれのユナ(少女時代のイム・ユナ)と2000年生まれのイ・チェミンによる“10歳差カップル”が注目を浴びているのだ。
現代の成熟したフレンチシェフと朝鮮時代の若き王という設定が、年齢差を自然に溶け込ませ、2人のケミが視聴率上昇の大きな推進力となっている。
今後はオム・ジョンファとソン・スンホンの“年上女性×年下男性”の恋の駆け引きが本格的に始まると期待されており、『暴君のシェフ』では第4話でイム・ユナとイ・チェミンのサプライズキスシーンが公開され、さらなるロマンス展開への関心が一層高まっている。
下半期もロマンティックコメディは続く
2025年下半期には、キム・ソンホとコ・ユンジョン主演の『恋の通訳、できますか?』、キム・ウビンとスジ主演の『魔法のランプにお願い』など、大型ロマンティックコメディ作品が控えており、ロマンティックコメディの黄金期を予感させている。
それぞれの方法でありふれた題材を軽やかにアレンジして笑いとときめきを届けた『かけがえのない私のスター』と『暴君のシェフ』。この2作品が牽引する新たなロコ旋風が、果たしてどこまでお茶の間を爽やかに彩り続けるのか、期待が高まっている。
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