BSテレ東で5月30日から放送開始の『恋人』はどれほどの傑作なのか

このエントリーをはてなブックマークに追加

現在、テレビ東京の韓流プレミアでは『ホジュン~伝説の心医~』が放送されていて、ナムグン・ミンがユ・ドジという冷徹な医者を演じている。そのナムグン・ミンが2023年に主演した大作が『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』であり、BSテレ東で5月30日から放送されることになっている。

【関連】『赤い袖先』『恋人』『オク氏』…ここ数年、韓国時代劇のレベルが上がっている理由

この機会にぜひ見ておきたいが、このドラマは17世紀の朝鮮王朝に吹き荒れた清国との戦乱という、荒々しくも悲しみに満ちた時代を背景にした物語である。

ナムグン・ミンが演じるイ・ジャンヒョンは、燃え立つような才能を隠し持ちながら、決して本心を誰にも見せない謎めいた男である。洗練されたセンスと無邪気な微笑みの裏に鋭い観察眼を秘め、商才と語学力を武器に華やかな表舞台を自在に泳ぐ姿は、どこか孤高の佇まいを誇っている。

アン・ウンジンが演じるヒロインのユ・ギルチェもまた、戦乱という試練を通じて、その内に秘めた力強さを目覚めさせる。何不自由ないお嬢様として優雅な日々を送っていた彼女は、戦乱が起こってから鋼の意志を持つ女性へと変貌を遂げた。その成長の過程は、本当に凄絶であった。

平和な時代であれば、イ・ジャンヒョンとユ・ギルチェはありふれた恋人同士となっていたかもしれない。しかし、2人の前に立ちはだかったのは、1636年に押し寄せた清国の大軍であった。首都の門前まで迫る敵軍。その絶望の渦中で、2人の運命は言葉では表しきれないほどに揺れ動く。

『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』
画像=MBC

壮絶な愛の記録

だが、冷たい現実は彼らの愛を試す巨大な壁ともなった。イ・ジャンヒョンとユ・ギルチェは、愛を守るため、恐怖に耐えて己をも超えなければならなかった。ドラマは、その壮絶な愛の記録を、烈しくも切なく、燃え上がる情熱をもって描き出す。

共演者はイ・ハクジュ、イ・ダイン、キム・ユヌ、キム・ムジュン、チ・スンヒョンなどであり、『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』は、極限の時代が育んだ魂の愛を美しく、そして力強く描き上げた作品である。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

【関連】『恋人』が描いた「究極的なラブロマンス」と「歴史的な大事件」の融合

【関連】名作ドラマ『恋人』が描く「朝鮮王朝最大の屈辱」の歴史的背景

【関連】『恋人』主人公たちを翻弄する「清」とはどういう国だったのか

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事