【歴史解説】『恋人』主人公たちを翻弄する「清」とはどういう国だったのか

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ナムグン・ミンとアン・ウンジンが主演した『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』は、17世紀前半の激動の朝鮮王朝史を描いた歴史巨編である。

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ドラマの中で重要な国家として登場するのが「清(しん)」だ。この国の実情を知らなければ、『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』のストーリーを理解することはできない。そこで、朝鮮王朝に屈辱的な敗戦をもたらした戦勝国の清について歴史的に解説しよう。

『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』より(写真= ©2023MBC)

この国は、もともと「後金」という国号だった。領土にしたのは、現在の中国東北部だ。ここはかつて満州と呼ばれており、歴史的にこの地域に定住していた民族の「女真」が、様々な国家を建国してきた。

そして、16世紀末に女真の諸族をまとめあげたのがヌルハチだった。彼は1616年に「金」を建国したが、すでに満州には12世紀から13世紀にかけて女真が作った「金」という国があったので、ヌルハチが建国した国は「後金」と称された。

当時、中国大陸を支配していた明(みん)は国力が衰えていた。1619年、明はヌルハチを討伐するために大軍を送ったが大敗してしまった。

その頃、朝鮮王朝の国王は15代王の光海君(クァンヘグン)だった。彼は、明から重ねて援軍要請を受けたが、後金の強さを恐れて中立を守った。これが朝鮮王朝の安泰につながった。光海君の外交政策は成果を発揮していたのだ。

しかし、1623年に光海君は王宮を追放されて、16代王・仁祖(インジョ)が王位に就いた。彼の外交は稚拙だった。後金の存在を軽視して明に肩入れする政策を取ったのである。

激怒した後金は1627年に攻め込んできたが、朝鮮王朝は歯が立たなかった。

『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』より(写真= ©2023MBC)

朝廷を都の漢陽(ハニャン)から江華島(カンファド)に移してかろうじて生き残るという屈辱を味わった。これが朝鮮半島では「丁卯胡乱(チョンミョホラン)」と呼ばれる最初の危機だった。

朝鮮王朝は交渉の末、「後金と兄弟の関係を保つ」という条件で和睦に持ち込むことができたのだが、仁祖が約束を守らなかった。結果的に、朝鮮王朝は再び窮地に立たされる。

1636年5月にはホンタイジが新たに皇帝に即位し、後金は国号を「清」に改めた。そして1636年12月、朝鮮王朝の対応に激怒した清は、12万の大軍で侵攻してきた。これによって、『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』では、主人公のイ・ジャンヒョン(ナムグン・ミン)とユ・ギルチェ(アン・ウンジン)の運命が劇的に変わってしまうのだが……。

『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』より(写真= ©2023MBC)

歴史に話を戻すと、仁祖は漢陽の南側にある南漢(ナムハン)山城に避難して籠城したが、ついに屈服し、漢江(ハンガン)のほとりの三田渡(サムジョンド)で皇帝のホンタイジの前で土下座して謝罪した。この一連の出来事を朝鮮半島では「丙子胡乱(ピョンジャホラン)」と呼ぶ。

以後、朝鮮王朝は清に従属せざるを得なくなった。それだけではない。あれほど強かった明も1644年に滅び、清が中国大陸の新たな覇者となった。それから3世紀近くにわたって清は中国を支配したが、1912年に滅亡している。

清という国の歴史と当時の朝鮮王朝の実情をよく知ることが、『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』が描く物語を楽しむために不可欠であることは間違いない。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

◆作品情報
『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』

2024年7月3日(水)発売 DVD-SET1、
2024年8月2日(金)発売 DVD-SET2
2024年9月4日(水)発売 DVD-SET3
各14,740円(税抜13,400円)
※レンタルDVD同時リリース
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント ©2023MBC
☆2024年7月3日(水)よりU-NEXTにて独占先行配信開始

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