韓国ドラマ業界の裏側、韓国俳優ギャラ青天井化の実態と危機とは?

2025年04月12日 話題 #俳優 #OSEN #写真
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韓国俳優の出演料が“青天井”状態で高騰していることが、再び議論を呼んでいる。10年前には1話あたり3000万ウォン(約330万円)でも「高すぎる」と騒がれたが、現在では億単位が当たり前となり、他国と比較されるほどになっている。

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最近、ある韓国のオンラインコミュニティには「日本と韓国の俳優の1話あたり出演料を比較した投稿」が話題となった。発端は、2022年にNHK大河ドラマ出演者のギャラが公表されたことに始まる。

日本のトップ俳優・小栗旬の出演料は1話あたり50万円(約500万ウォン)、女優でモデルとしても活躍する小松菜奈は20万円(約200万ウォン)とされている。

さらに、日本で芸能活動をしている韓国女優ハ・ヨンスもこの件に言及している。MBCのバラエティ番組『ラジオスター』に出演した際、「日本のギャラは韓国の11分の1ほどだった。公共放送ではそもそも出演料が低く、出演時間によってもギャラが変わる」と語り、「最初に出演したCMのギャラはたった3万ウォン(約3000円)だった」と明かして共演者たちを驚かせた。

(写真=MBC『ラジオスター』

これに対して、韓国俳優の“出演料”は近年、幾何級数的に上昇している。現在放送中の話題作『涙の女王』(tvN)に主演するキム・スヒョンのギャラは、1話あたり3億ウォン(約3300万円)とされている。

また、Netflixオリジナルシリーズ『おつかれさま』で主演を務めたIU(アイユー)は、本サイト提携メディア『OSEN』の取材によると、1話あたり5億ウォン(約5500万円)に達し、韓国女優史上最高額の待遇を受けたという。

ただし、IUの出演料および制作費について、制作会社であるFan Entertainment側はOSENの取材に「出演料や総制作費に関してはコメントできない」と回答。Netflix側も「契約上の秘密条項にあたるため、詳細を明かすことはできない」と慎重な姿勢を見せた。

とはいえ、韓国俳優の出演料が高騰し続けている問題は、今に始まったことではない。2004年の“第1次韓流ブーム”の時点で、すでに特級俳優の1話あたり出演料が3000万ウォンまで上昇したと報じられ、「スター俳優の“値段”はどこまで上がるのか」と懸念されてきた。

それから約10年、状況は変わるどころか、ますます上昇の一途をたどっている。今や億の単位で語られる時代となった。背景には、ケーブルテレビや総合編成チャンネルの開局により、ドラマ制作が外注方式に移行し、視聴率を稼ぐためにスター俳優をキャスティングする動きが加速。これが出演料の高騰をさらに煽った。

さらにパンデミック以降は、NetflixをはじめとするOTT(オンライン動画配信サービス)主導でドラマ制作が行われるようになり、俳優のギャラはまたしても跳ね上がった。

特にOTT向けドラマでは、人気トップ俳優のギャラが1話あたり2~3億ウォン、場合によっては5~10億ウォン(約5500万~1億1000万円)に達するケースもあり、この水準を地上波テレビ局にも要求するため、制作側が対応しきれない状況も生まれている。

もちろん、主役級俳優がそれだけの出演料に見合う収益をもたらすなら、資本主義の観点からは問題ない。しかし、グローバルなトップスターやアイドル歌手でもない限り、海外市場で大きな利益を出すのは決して容易ではない。にもかかわらず、何十億ウォンという出演料が制作費の高騰を招き、ドラマ制作現場の環境悪化を招いているのが現状である。

(写真=『憎めないクァンジョンお姉さん』)

こうした問題については、俳優たち自身も声を上げている。俳優イム・ヒョンジュンは、主演俳優たちの高騰する出演料に関して自身の見解を明かした。

彼は、イ・ジヘが運営するYouTubeチャンネル『憎めないクァンジョン(人の興味を引くために変わった行動や発言をする人)お姉さん』に出演し、「最近、制作不況の原因が俳優のギャラのせいだという世論もあるだろう”と語り始めた。

そして、トップ俳優の出演料が不当に高すぎるとする世間の批判に対して、「主演だけが高いんだよ。主演のギャラだけが上がって、俺のは20年前とほとんど変わらない」と率直に語った。

さらにイム・ヒョンジュンは「主演俳優たちには嫌われるかもしれないが、ギャラは公開すべきだと思う。出演料は大衆が判断するものだ。“あれだけのギャラをもらって、これだけの演技?”と言われるようでは、その俳優はその額に見合っていないということ。

正当に評価された上でギャラをもらうのは大賛成だ。でも、皆が同じように高額を要求する風潮には問題がある」と釘を刺した。

同様の声は俳優リュ・スンスからも上がっている。YouTube番組『チョン・ヒョンム計画2』に出演した彼は、主演と助演の出演料に約20倍もの差があると芸能界の実態を語った。

リュ・スンスは「以前は年間で約120本のドラマが制作されていたが、今は50本程度まで減った。もう制作環境が整っていないし、ドラマだけで生活するのは難しい。だから副業もしている」と明かし、「主演と助演のギャラには20倍の差がある。主演は1話あたり1億5000万ウォンから、多いと7億ウォンにもなる」と語り、視聴者を驚かせた。

(写真=『チョン・ヒョンムの計画』)

実際、韓国ドラマ制作会社協会も最近、トップスターのギャラ高騰に関して緊急会合を開き、合理的な出演料ガイドラインの必要性を提言している。主演クラスのギャラが高騰し続けることで、ドラマ制作自体が困難な状況になっているというのだ。

ある業界関係者は「主演俳優のギャラが今や1話あたり10億ウォンにも達するのが現実。制作会社は、編成が有利になる俳優の要求に応じて1話数億ウォンを支払わざるを得ず、それがまた制作費全体の高騰につながっている」と語った。

このように、韓国内では俳優のギャラが天井知らずに上昇しており、制作会社は深刻な頭痛の種を抱えている。

スター俳優たちのギャラがどこまで上がり続けるのか予測不能な中で、今後はプラットフォームや作品予算に応じた、より現実的かつ柔軟な出演料の制度構築が急がれる状況である。

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