癖のある個性派としての評価が高い。それが、クォン・ヘヒョの真骨頂だ。彼は、韓流ブームの金字塔となった大傑作『冬のソナタ』において、ペ・ヨンジュンが扮するチュンサンの良き先輩だったキム次長を演じていた。それは、本当に人間味があるキャラクターだった。
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それだけに、『冬のソナタ』から韓国ドラマの大ファンになった人にとって、クォン・ヘヒョは記憶に残る懐かしい俳優であるに違いない。
もちろん、『冬のソナタ』以降も独特な個性を発揮して様々なドラマで活躍してきた。たとえば、2005年に韓国ドラマ界を席巻したラブコメの名作『私の名前はキム・サンスン』では、クォン・ヘヒョが料理長の役で存在感を示していた。
その後、特に印象的だったのが、時代劇『王になった男』(2019年)であった。このドラマでクォン・ヘヒョは、悪役のシン・チスを怪演した。賄賂を操り、権力にしがみつく奸臣として、人間の醜悪な欲望をあますことなく体現した。
「エッ、これが、あのクォン・ヘヒョなの?」
驚いた人も多いことだろう。
それは、彼が『冬のソナタ』で見せた人の良さとはまるで正反対の姿であった。とはいえ、クォン・ヘヒョの演技にはどこか人間臭さがあり、ただの悪党では終わらせない奥深さが備わっていた。その存在感は圧倒的で、見る人の心に強烈な印象を刻みつけた。
そして、2022年にクォン・ヘヒョはパク・ミニョン主演の『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』で、予報局長のコ・ボンチャンに扮していた。
部下を思いやり、職員たちの調和を大切にする姿は、韓国ドラマにありがちな自己中心的な上司像とは一線を画していた。なんともいえない味のある役であり、冷静かつ温厚な人柄が『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』に安定感をもたらした。
『冬のソナタ』から23年。クォン・ヘヒョは、今もなお確かな演技力で作品に息を吹き込み続けている。彼の歩みは、韓国ドラマを大いに盛り上げているのだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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