世界90カ国でNetflixの視聴1位を記録した『イカゲーム』。世界的なブームを起こしたこのドラマで特に印象的だったのが、オールキャストで多様なキャラが総動員体制で演じられたことだ。
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コンセプトは、人生から転落した456人が一発逆転を狙い「死のゲーム」で456億ウォン(約45億円)を奪い合うというストーリーだったが、とにかく登場人物が巧みに設定されていた。改めて振り返ってみると、こんなキャラが目立っていた。
まずは、主人公のソン・ギフン(イ・ジョンジェ)。ギャンブルで借金を作り、妻から離婚されて子供も奪われた。母親は病気で治療費が絶対に必要で、やむなくゲームに参加していた。
そんなギフンの幼なじみが、かつて町内の天才少年だったチョ・サンウ(パク・ヘス)だ。ソウル大学を卒業して証券会社のエリート社員になったが、大損害を出してしまい横領まで仕出かした。こうして人生の落伍者になったのだ。
境遇が不幸な女性も2人いた。
1人は、脱北者として辛い思いばかりしてきたカン・セビョク(チョン・ホヨン)。スリでなんとか生きていたが、施設にいる弟を助けるためにも金が必要だった。
もう1人は虐待常習者だった父親を殺して刑務所暮らしを続けていたジヨン(イ・ユミ)。彼女も親があまりにも悪かった。
同じように、外国人労働者アリ(アヌパム・トリパシ)も悲惨だった。悪徳経営者にだまされて賃金を払ってもらえず、困窮してゲームに参加するようになった。
以上の3人には見ていてつい同情してしまうのだが、逆に救いようがない最悪なチンピラなのがチャン・ドクス(ホ・ソンテ)だ。裏切りと金の使いこみで組織から逃げ出した男だ。腐ったワルで、あくどい手口でゲームに勝ち抜いていく。
シングルマザーのハン・ミニョ(キム・ジュリョン)も性格が悪かった。誰からも相手にされない人間なのだが、処世術にたけていて必死になってゲームに挑んでいく。
さらに、謎めいているのが孤独老人のオ・イルナム(オ・ヨンス)だ。認知症の症状も始まっているが、経験を活かしながら「死のゲーム」でも異彩を放っていた。
以上のキャラが多彩な人生模様を見せてくれるところが『イカゲーム』の隠し味になっていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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