【『善徳女王』の建国神話】「新羅の初代王は卵から生まれた」というのはホント?

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傑作『善徳女王』で主人公イ・ヨウォンが演じている善徳(ソンドク)女王は、新羅(シルラ)の27代王である。新羅には歴代王の中に3人の女王がいたのだが、その最初の女王が善徳女王なのだ。

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この新羅には不思議な建国神話がある。それは、初代王が卵から生まれた、という奇妙な伝説なのである。それはどんな話なのか。 

もともと新羅の本拠地は朝鮮半島南東部の慶州(キョンジュ)である。ここは当時、徐羅伐(ソラボル)と言われていた。そして、六つの氏族がつくる村によって分割されており、その一つが高墟(コホ)村だった。

あるとき村長が、ひざまずいている馬を見つけた。もっと詳しく見ようと思って近づいてみると、馬がいつのまにか姿を消していた。その代わり、大きな卵があった。

「この卵は何だ?」

驚いた村長が卵を割ってみると、驚いたことに中から赤ん坊が出てきた。吉報の印に違いないと考えた村長は、赤ん坊をとても大事に育てた。13年後、かつての赤ん坊は、少年なのにすでに大物の風格を備えていた。

そこで、六つの村が合議して少年に統治をまかせることにした。こうして誕生したのが、新羅の初代王となる朴赫居世(パク・ヒョッコセ)である。

善徳女王
善徳女王は伝説に彩られた新羅の27代王である(写真=(C)MBC)

卵から生まれた先祖を持つ女王

続いて、朴赫居世の妻について説明しよう。

当時、閼英(アリョン)という井戸の近くに竜が現れて人々をビックリさせた。しかも、竜は女の子を産んでどこかへ去ってしまった。女の子があまりにかわいかったので、ある老婆が自分で育てることにした。名前は井戸にちなんで「閼英」と称した。

閼英が大人になると、優しくて美しい娘に成長した。朴赫居世がその評判を聞いて、王妃として迎え入れた。国王夫妻は仲良く暮らし、国も大いに発展した。

以上が伝えられている神話だ。歴史書によると、朴赫居世の即位が紀元前57年で、王妃を迎え入れたのが紀元前53年だった。

そして、朴赫居世から27代目に善徳女王が誕生している。伝説どおりなら、善徳女王は卵から生まれた先祖を持っていることになる。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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