【朝鮮王朝のヤバイ身分制度】両班はなぜあんなにエラソーにしていられるのか

このエントリーをはてなブックマークに追加

韓国時代劇を見ていると、両班(ヤンバン)になっている人たちがよく出てきて、傲慢にふるまっている。本当に、彼らは優遇されているのだ。その根拠を見ていこう。

【関連】『太陽を抱く月』でも好演!! チョン・イルが見せてきた「変幻自在の大変身」

朝鮮王朝では儒教が国教に指定されていた。儒教は人間の身分の違いを認める思想がある。それによって、朝鮮王朝では厳格な身分制度が採用された。その身分制度のトップが両班であって、いわば貴族階級だった。

両班の下が中人(チュンイン)で医者や通訳といった専門職を持つ人たちが該当した。その中人の下が常民(サンミン)である。該当するのは農業、商業、工業に従事する一般庶民であった。当然ながらこの常民が一番人数も多かった。

常民の下に位置付けられたのが賤民(チョンミン)であり、奴婢(ぬひ)、奴生(キセン)、芸人などが該当していた。

以上のように朝鮮王朝の身分制度は、両班、中人、常民、賤民のように厳格に決められていて、両班が下の者たちに君臨していた。

『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』
『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』に主演したチョン・イルとクォン・ユリ(写真= © 2021 MBN. All Rights Reserved)

痛快なエピソード

この両班をもっと具体的に言うと、地主階級で裕福であった。しかも、子供たちを学業に専念させられるので、科挙(官僚の登用試験)に受かる人は両班ばかりだった。

しかし、両班でありながら科挙に受からない息子たちも多い。そういう人間は親のコネで下級官僚に採用された。結局は、出来が悪くても何とかなるのが両班の子弟たちだった。

このようにして、両班は自分たちの特権を利用できる制度を作りあげていた。彼らの支配が朝鮮王朝の隅々まで行き渡ったのだ。

そんな両班を痛烈に批判していたのが『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』という時代劇だった。クォン・ユリが演じたファイン翁主(オンジュ/国王の側室から生まれた王女)が男装して両班に扮し、チョン・イルが演じた盗賊バウと一緒に裕福な両班の夫人を騙すという一場面があった。

それは、両班たちの虚栄心を見事に利用した痛快なエピソードであり、見栄ばかり張っている両班たちを皮肉る風刺になっていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

【関連】【泣ける!チョン・イルの名演技】『太陽を抱く月』から始まった王朝三部作の醍醐味は?

【関連】『ポッサム』クォン・ユリは司会役も完璧!横浜で開催の授賞式で“存在感爆発”

【関連】朝鮮王朝の秘められた情事…真剣勝負だった王と女性たちの“夜の営み”

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事