テレビ東京の韓流プレミアで4月5日から始まった『太宗 イ・バンウォン~龍の国~』。主役のチュ・サンウクが冒頭から3代王・太宗(テジョン)として登場していたが、彼の本名は李芳遠(イ・バンウォン)という。
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ドラマは1388年から始まっており、その第1回で大事件として描かれているのが「威化島(ウィファド)回軍」である。これを知らないと当時の歴史がわからないので、この大事件を解説しよう。
1388年、高麗王朝の大将軍であった李成桂(イ・ソンゲ)は、第32代の禑王(ウワン)から、領土争いがあった明を攻撃することを命令された。しかし、李成桂は反対した。小国が中国という大国に逆らうのは絶対に良くないという気持ちがとても強かったからだ。
けれど、明への出兵が強行されることになった。仕方なく大軍を率いた李成桂は、朝鮮半島北部の鴨緑江(アムノッカン)の中流に位置する威化島で前に進めなくなった。梅雨で川が増水していたからだ。
こうして足止めされている間に、李成桂はやはり明を攻めることはよくないと考え、禑王の進軍命令があったにもかかわらず、引き返すことにした。そのうえで攻撃目標を高麗王朝の首都であった開京(ケギョン)に狙いを定めた。これが歴史に名高い「威化島回軍」である。
李成桂が率いた大軍を他の武将は止めることができず、彼は開京を制圧して高麗王朝最高の実権を握った。すかさず李成桂は禑王を追放してしまい、自分の息がかかった男を王位に就けて裏で王朝を操った。その末に、1392年に自ら国王となって朝鮮王朝を建国したのである。こうした歴史上の大事件が、始まったばかりの『太宗 イ・バンウォン~龍の国~』の第1話で壮大に描かれたのである。
李成桂は朝鮮王朝の初代王・太祖(テジョ)として君臨するのだが、8人の息子に恵まれていた。そして、その五男が『太宗 イ・バンウォン~龍の国~』の主人公となる李芳遠であり、主役のチュ・サンウクが颯爽と演じている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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