【『トンイ』の謎めいた人物の正体】歴史の影で暗躍した黒幕は誰なのか

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人気時代劇の『トンイ』に登場する主要なキャストは実在の人物が多い。そんな中で第24話から出てくるシム・ウンテクという人物は、得体の知れない存在となっている。しかも、ハン・ヒョジュが演じた主人公トンイにピタリ寄り添うようになっていて、ドラマでも大切な場面で存在感を示していた。

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それでは、シム・ウンテクとは果たして何者だったのか。

実は架空の人物ではなかったのだ。それどころか、史実では黒幕のように暗躍した重要人物だった。それが、シム・ウンテクのモデルになっている金春沢(キム・チュンテク)であった。

彼は名門の出身だ。粛宗(スクチョン)の最初の王妃だった仁敬(インギョン)王后の父親だった金万基(キム・マンギ)の孫なのである。

この金万基は、当時の朝鮮王朝で南人派と対立して勢力を伸ばしていた西人派の重鎮だった。そんな大物の孫なので、金春沢もどんどん頭角を現していった。

画像=MBC

政局を動かせる存在

しかし、毀誉褒貶(きよほうへん)が多かった。3 回の牢獄入りと5 回の流罪を繰り返すという常識外の経験を経ている。そういう意味ではスケールが大きい男だ。また、科挙に受からなかったので官職には就いていないとはいえ、西人派の実行部隊を仕切っており、派閥では誰もが一目置く存在感を放っていた。

そんな金春沢はトンイこと淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)と密接な関係があり、粛宗が淑嬪・崔氏を側室にしたのも金春沢が暗躍した結果だという説もあった。こうして、西人派は粛宗に目をかけられて派閥が巨大になっていった。それだけに、金春沢は西人派の中でも絶大な立場を得るに至った。

結局、金春沢と淑嬪・崔氏はお互いに強固な絆を保ち、政局を動かせる存在になっていった。そうした影響力によって金春沢は粛宗の政策にも関与している。

これほどの大物だった金春沢。『トンイ』ではシム・ウンテクという名前になってドラマを大きく動かしていた。今後、『トンイ』を見るときにはこの人物についても大いに注目してみよう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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